海上保安レポート 2004
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本編 > TOPICS > 治安を守る > 7 尖閣諸島における領海警備


 尖閣諸島においては、かねてから領有権を主張する台湾・香港の活動家が乗船した船の不法侵入事案が多発していましたが、平成15年6月23日、初めて中国本土から領有権を主張する中国の活動家が乗船した船が同諸島領海内に侵入するという事案が起きました。
 同活動家らによる中国本土からの領海内への不法侵入事案は、同年10月9日、平成16年1月15日と連続的に発生し、次いで平成16年3月24日には、中国人活動家7名が魚釣島に不法上陸するという事案が発生、国内外において大きな反響を招いたことは、記憶に新しいところです。
 この事案は、尖閣警備に当たっていた巡視船が魚釣島に向け急接近する中国人活動家が乗船した中国漁船を発見、直ちに所定の規制行動をとったものの、同活動家らは小回りの利く小型の手漕ぎボート2隻を使用し、7名の活動家が魚釣島に不法上陸したというものでした。
 巡視船からの通報を受けた第十一管区海上保安本部は、直ちに管内の稼働可能な巡視船艇・航空機を投入して、不法侵入した中国漁船を領海外へ退去させるとともに、魚釣島に警察官を緊急輸送し、警察官により逮捕された同活動家を航空機と巡視船で那覇港まで搬送、その後、同活動家7名は沖縄県警察本部から入国管理局に引き渡され、中国に強制送還されました。
 海上保安庁では、同諸島領海内で突発的に発生する事案に適正に対応できるように、常時巡視船艇を配備するとともに、定期的に航空機をしょう戒させ、大規模な領有権主張活動に対しては、全国から巡視船艇・航空機を動員し、警備を実施していますが、この事案を踏まえて、関係省庁とも密接に連携しながら、事前の情報収集や事案に応じた警備手法を検討しつつ、領海侵犯、不法上陸事案等に対して厳正な領海警備を行っていくこととしています。
尖閣諸島における領海警備