海上保安レポート 2004
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本編 > TOPICS > 治安を守る > 5 ロシア向け中古漁船不正輸出事件


 平成15年5月、根室海上保安部(北海道根室市)は、中古漁船をロシアへ不正に輸出したとして、船舶ブローカー等4人を外国為替及び外国貿易法違反(無承認輸出)、関税法違反(輸出許可の虚偽申告)及び偽造私文書行使罪で検挙しました。
 この事件は、平成14年4月、根室市花咲港に活カニ陸揚げのため入港したロシア籍鮮魚運搬船を立入検査したところ、今までに見受けられなかった北朝鮮のポートクリアランス(出港証明書)を持参していたこと、過去に花咲港からフィリピン向けに輸出された元日本漁船にも類似しているという不審な状況があったことに端を発します。
 この鮮魚運搬船の輸出経緯を調べたところ、輸出申請書類の一部に偽造の疑いがあることを認めました。
 そこで、警察及び税関とともに更なる捜査を進めたところ、この鮮魚運搬船は本来の輸出先であるフィリピンではなく、ロシアへ不正に輸出されていた船舶であるという事実が判明し、検挙に至りました。
 この事件は粘り強い内偵捜査が実を結んだものであり、今後も捜査能力の向上に努めていきます。
不正輸出された中古漁船
▲不正輸出された中古漁船