海上保安レポート 2018

はじめに


海上保安制度創設70周年記念特集
海洋の安全・秩序をつなぐ〜70年の礎とともに〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 領海・EEZを守る

2 治安の確保

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海の安全を創る

8 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

海上保安官の仕事 > Column Vol.02 地域の観光・地元産業を守る『鳥羽市密漁対策協議会』の支援
海上保安官の仕事
Column Vol.02
地域の観光・地元産業を守る『鳥羽市密漁対策協議会』の支援
四管区・鳥羽海上保安部
鳥羽市密漁対策協議会(第1回会合)
鳥羽市密漁対策協議会(第1回会合)

三重県では、G7伊勢志摩サミットが開催され、伊勢志摩の魅力を内外に発信する絶好の機会となりました。鳥羽市では来日した海外メディアに対して、「鳥羽の食」「海女文化」などを紹介するため、『「海女のまち・鳥羽」海外プレスツアー』が開催されるなど、様々な取り組みが行われました。

全国の旅行者アンケート(平成21年)から見る鳥羽のイメージは、「海の幸が美味しい」(1位)、「海・山などの自然環境が良い」(2位)、「海女や漁師など漁村文化が豊かである」(3位)の3つのイメージが大半を占めました。

伊勢志摩の魅力は、なんと言っても「食」にあるのです。しかし、「鳥羽の魅力は食」を支える漁業の現状はと言えば、後継者不足の問題に加え、高齢化や魚価の低迷などによる収入減から、漁業の衰退が懸念されています。そこで、漁業と観光という地域を支える二つの産業を柱として、「鳥羽市・漁業と観光の連携促進協議会」が設立され、双方が同じテーブルに着き、現状を正しく理解するとともに、共通認識を持って両産業の発展に向け取り組んでいます。

密漁は、このような地域産業の課題解決に向けた取り組みを後退させる脅威であり、平成29年3月10日、鳥羽磯部漁業協同組合、鳥羽市観光協会、鳥羽市役所、三重県農林水産部、警察機関(鳥羽警察、鳥羽海保)は、「鳥羽市密漁対策協議会」を発足させました。事務局が鳥羽市観光協会であることがポイントです。密漁の横行は観光の街というブランドを傷つけるものでもあります。

違法採捕物
違法採捕物

「密漁を許さない」を合言葉に、私たち構成員は連携した取締りを行い、その結果は効果的なタイミングを選んで広報し、さらには記者が「課題」として追加取材をすることで、より強いメッセージとして社会に情報発信しています。

鳥羽海上保安部は、法令順守や秩序を維持し、地域の方々が安心して生活できる社会を実現することを通じて、地域産業の未来を応援する組織でありたいと考えています。