海上保安レポート 2018

はじめに


海上保安制度創設70周年記念特集
海洋の安全・秩序をつなぐ〜70年の礎とともに〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 領海・EEZを守る

2 治安の確保

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海の安全を創る

8 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

7 海の安全を創る > Column Vol.16 島っ子ガイドを応援します
7 海の安全を創る
Column Vol.16
島っ子ガイドを応援します
四管区・鳥羽海上保安部
菅島のPRキャラクター「すがちゃん」
菅島灯台の形を取り入れた菅島小学校の校舎
菅島灯台の形を取り入れた菅島小学校の校舎

伊勢湾の湾口に浮かぶ「菅島」(三重県鳥羽市)、ここは伊勢志摩の偉人河村瑞賢が、江戸時代に酒田から江戸まで米を運ぶために開拓した航路の途中にあります。島の周辺は航海の難所であったことから、当初は島民により篝火が焚かれ、明治に入り西洋式灯台「菅島灯台」(三重県)へと移り変わりました。

菅島灯台は、島の方々が島の歴史を伝える財産としてとても大切にして下さっており、島のPRキャラクター「すがちゃん」のモデルとして使われたり、菅島小学校の校舎は、灯台の形そのままを取り入れています。

菅島が誇る取り組みのひとつに、「島っ子ガイド」があります。平成19年から始まり、児童一人ひとりがガイドとなって、島を訪れた方々を案内しながら、自分たちの生まれ育った故郷の自然や文化、歴史など島の魅力を、自分たちの言葉で説明し、その中で児童のコミュニケーション能力の向上を目指す取組みです。

菅島灯台は、案内コースに入っており、ガイドの日には、交通課職員が必ず灯台を開放し、児童が精一杯力を発揮できるよう準備を整え支援をしています。沖合いからは、しょう戒中の巡視船が立ち寄り、島っ子ガイドを元気付けよう、と電光掲示板で「島っ子ガイド、ファイト」と応援メッセージを送ったり、展示放水で盛り上げています。

菅島灯台と島っ子ガイド
菅島灯台と島っ子ガイド

目の前で一生懸命説明している児童からは、故郷を大切に思う気持ちや誇りに思う気持ちが、ひしひしと伝わってきます。同時に、とても明るく元気な雰囲気のなか、私たちも、児童や先生、来島者とのコミュニケーションを楽しませてもらっています。

「島っ子ガイド」は、児童たちが成長していく中で私たちと彼らを結び付けてくれる縁だと思っています。私たちは、児童を取り巻く地域社会の大人として、菅島灯台という地域にとっての財産を通じて、彼らの健やかな成長を見守り、応援し続けます。

なお、島っ子ガイドの話題は、平成30年度からの小学校の道徳の教科書に採用されることが決まっています。