海上保安レポート 2018

はじめに


海上保安制度創設70周年記念特集
海洋の安全・秩序をつなぐ〜70年の礎とともに〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 領海・EEZを守る

2 治安の確保

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海の安全を創る

8 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

2 治安の確保 > CHAPTER VI. 不審船・工作船対策
2 治安の確保
CHAPTER VI. 不審船・工作船対策

海上保安庁では、昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船・工作船を確認しています。これらの不審船・工作船は平成13年の九州南西海域での工作船事件にみられるように、覚醒剤の運搬や工作員の不法出入国等の重大犯罪に関与している可能性が高く、我が国の治安を脅かすこれらの活動を未然に防止することは重要な課題です。

海上保安庁では、巡視船・航空機により不審な船舶に対する警戒監視を行うとともに、各種訓練を通じ、発見時における適切な対処能力の向上に努めています。

平成29年の現況

平成29年は、不審船・工作船の活動は確認していませんが、海上保安庁では、情報収集や巡視船艇・航空機による警戒監視により、不審船・工作船対策に引き続き万全を期しています。

また、不審船・工作船への対応を主目的として整備された2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)、1,000トン型巡視船(高速高機能)及び高速特殊警備船を中心に各種訓練を実施しております。

このほか、関係機関や民間ボランティア等との情報交換を緊密に行うことにより、不審船・工作船に関する情報収集に努めています。

今後の取組

今後とも、各種訓練を通じて不審船対応能力の維持・向上に努めるとともに、関係機関等との連携をいっそう強化して、不審船・工作船の早期発見に努め、発見時には厳格に対処していきます。

海上自衛隊と不審船対処に係る共同訓練の取組み状況
不審船共同対処訓練
不審船共同対処訓練

海上保安庁及び海上自衛隊の船舶・航空機により、不審船対処に係る情報共有訓練、不審船に対する共同追跡・監視訓練、ヘリコプターによる発着訓練等の共同訓練を平成11年から定期的に実施しており、これまでで15回を行っております。訓練内容は、原子力発電所に対するテロを想定した訓練等を計画し、海上保安庁からは、巡視船(2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能))、高速特殊警備船及び飛行機等を参加させ不審船対処に係る海上自衛隊との連携強化を図っております。