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CHAPTER II. 海上犯罪の現況
平成29年の海上犯罪の送致件数は、7,962件であり、前年より252件(3.3%)増加しました。送致件数を法令別に見ると、海事関係法令違反が3,466件(44%)と最も多く、次いで漁業関係法令違反が2,681件(34%)、刑法犯が742件(9%)、海上環境関係法令違反が626件(8%)となっています。
海事関係法令では、船舶の検査や定員、航行区域等を規定した船舶安全法関係法令違反が1,326件(38%)と最も多く、漁業関係法令では、漁業権侵害や無許可操業、区域・期間外操業等のいわゆる密漁事犯が2,629件(98%)、刑法犯では、衝突や乗揚げ等の船舶の往来を妨害する罪(業務上過失往来危険等)が607件(82%)、乗船者を負傷させる等の過失傷害等の罪が84件(11%)、海上環境関係法令では、船舶からの油や有害液体物質の排出等を規制する海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律違反が380件(61%)とそれぞれ多く発生しています。
このほか、薬物や銃器の不法輸入(いわゆる密輸)や刃物の不法携帯等を規制する薬物・銃器関係法令違反を90件、不法出入国(いわゆる密航)や不法就労等を規制する出入国関係法令違反を2件送致しています。