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CHAPTER IV. 外国漁船による違法操業等への対策
我が国の領海や排他的経済水域(EEZ)では、将来にわたる水産資源の安定的な供給を維持するため、外国漁船による操業が法令によって規制されているほか、EEZでは周辺諸国等との間に各種漁業協定が結ばれ、これに基づくルールが定められています。しかし、ルールに従わない悪質な外国漁船による違法操業により、我が国の貴重な水産資源が乱獲される事案が後を絶ちません。
海上保安庁では、我が国の領海やEEZの漁業秩序を維持すべく、厳格な監視・取締りを行うとともに、関係省庁とも連携し、外国漁船による違法操業の根絶に努めています。
平成29年の現況
平成29年の外国漁船検挙隻数は1隻(前年7隻)で、オホーツク海の我が国EEZにおいて、操業中のシエラレオネ籍かに篭漁船の無許可操業を確認、巡視船により同船に対し紋別港向け航行するよう指示し、同港へ入港したところで、同船船長を、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律違反(無許可操業)で逮捕しました。
大和堆(やまとたい)における北朝鮮漁船への対応
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退去警告をうけて航行を開始する北朝鮮漁船 |
日本海中央部の「大和堆」と呼ばれる場所は、周囲に比べて水深が浅く、イカやカニなどの日本海有数の好漁場となっています。
近年、大和堆周辺海域では、北朝鮮や中国籍とみられる漁船が急激に増加し、その一部が我が国排他的経済水域で違法操業を行っており、同海域で操業する日本漁船の安全を脅かす状況になっています。
海上保安庁では、このような状況を踏まえ、航空機による監視に加え、日本漁船の安全確保や北朝鮮漁船等の違法操業への対応などのため、平成29年7月上旬から大型巡視船を含む複数隻の巡視船及び航空機を同海域に派遣し、延べ1900隻以上の北朝鮮漁船等に対して汽笛や大音量の音声などによる退去警告を実施するとともに、そのうち、300隻以上に対して放水措置を実施し、大和堆周辺の我が国排他的経済水域から退去させるなどしました。
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北朝鮮漁船を放水措置によりEEZから退去させている状況 |
今後の取組み
海上保安庁では、引き続き、地元漁業者等からの取締り要請にも適切に対応するため、関係機関と連携・協力を図るとともに、外国漁船の違法操業に的確に対応するために必要な要員や巡視船艇・航空機の増強、資機材の整備を進め、情報収集・分析活動に基づく違法操業を行う外国漁船の集中取締り、的確な監視・取締りを実施していきます。
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