海上保安レポート 2015

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 離島周辺や遠方海域における海上保安庁の活躍


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

CHAPTER I 事故災害対策
Column Vol.09 サハリンプロジェクトに伴う大規模排出油事故に備えて!
CHAPTER II 自然災害対策

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

4 災害に備える > Column Vol.09 サハリンプロジェクトに伴う大規模排出油事故に備えて!
4 災害に備える
Column Vol.09
サハリンプロジェクトに伴う大規模排出油事故に備えて!
第一管区海上保安本部

第一管区海上保安本部及び紋別海上保安部では、平成26年9月25日(木)、北海道紋別市所在の紋別港港南岸壁及び同岸壁前面海域において、関係40機関約200名・船艇3隻が参加した紋別市主催による大規模排出油防除総合訓練を実施しました。

本訓練は、サハリン島周辺で本格稼動している石油・天然ガス開発プロジェクト関連タンカーの油流出事故を想定し、今年度は紋別市防災会議主催「平成26年度紋別市総合防災訓練」として各種防災資機材の設置・運用に関する慣熟、関係機関との連携強化及び地域の防災総合能力の向上を図ることを目的に実施しました。

具体的には、サハリン原油を満載した10万トン級タンカーが宗谷海峡の中央付近海上で貨物船と衝突し、タンカーから排出された原油が順次オホーツク沿岸付近を風や潮に運ばれ南下、2日後には紋別付近沿岸に漂着するとの事故想定に基づき、災害対応能力が強化された新型大型巡視船「れぶん」を投入し船内OICに現地災害対策合同本部を設置、さらには油回収装置等の資機材を運用した油の回収及び紋別地区沿岸排出油等防除協議会会員による沿岸漂着油防除のほか、石油連盟や北海道開発局とも連携した総合的な油防除訓練を官民一体となり実施したものです。

各現場における油防除活動から回収された油濁物の最終処分までの一連の流れの中で自らの役割を考え、実際に行動する形式で実施した本訓練は関係機関との連携強化及び海上災害に対する地域の防災総合能力の向上に繋がる訓練となりました。


現地災害対策合同本部(れぶん船内OIC区画)
現地災害対策合同本部(れぶん船内OIC区画)
オイルフェンス展張訓練
オイルフェンス展張訓練