Column Vol.10
航海の安全安心を目指して「可視光通信を活用した情報発信に関する研究」
海上保安試験研究センター
航海の安全安心を目指して「可視光通信を活用した情報発信に関する研究」
海上保安試験研究センター
海上保安試験研究センターでは、灯台やブイなどの航路標識から航海に役立つ安全情報を発信するため、航路標識灯火(LED)への可視光通信の活用について、試験研究を行っています。
可視光通信とは、可視光*1をデジタル信号化*2し、様々な情報を付加して発信、スマートフォンなどのカメラ機能付電子機器で情報を受信するというもので、航路標識灯火(LED)から航海に役立つ安全情報が発信できれば、海難防止に大いに役立つと期待されています。
この試験研究は、平成20年度から行っており、陸上での長距離実験、波浪動揺環境を想定した実験用プールでの実験、海上での長距離実験、陸上での複数可視光の同時通信実験を行ってきましたが、平成25年度には、実験の集大成として、実際に横浜港内に設置されている航路標識4基に可視光通信機能を付加して情報を発信し、AR*3機能付パソコンにどのように表示されるか実験したところ、その航路標識の名称・設置目的を視覚的に判りやすく表示させることができました。
今後は、これまでの実験で得られたデータを分析し、問題点の抽出や更なる技術改良に係る研究を行い、数年後の実用化を目指していきます。
◆航路標識灯火(LED)への可視光通信の活用 |
*1:人間が見ることができる光のこと。(見ることが出来ない光には、赤外線や紫外線などがある。)
*2:信号を断続的(「ON」か「OFF」)な値で表すこと。(信号を連続的な値で表すことをアナログ化という。)
*3:Augmented Realityの略称。実際の画像に、文字や物体を仮想現実(バーチャル)表示させること。