海上保安庁では、日本漁船の被だ捕等が発生する可能性のある海域においては、我が国漁業者の安全確保の見地から、付近海域に巡視船艇を配備するとともに、出漁漁船に対して直接又は漁業共同組合等を通じて被だ捕の防止指導や漁業関係法令の遵守指導等を行っています。
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1 治安の確保
CHAPTER8 日本漁船の安全確保
海上保安庁では、日本漁船の被だ捕等が発生する可能性のある海域においては、我が国漁業者の安全確保の見地から、付近海域に巡視船艇を配備するとともに、出漁漁船に対して直接又は漁業共同組合等を通じて被だ捕の防止指導や漁業関係法令の遵守指導等を行っています。 北方海域におけるしょう戒
北方領土はロシアによって法的根拠なく占拠されており、私たちが日夜しょう戒にあたっている根室海峡では、常に高い緊張感の中で業務を遂行しています。 本船を含め根室海上保安部及び羅臼海上保安署に所属する巡視船艇に課せられた重要任務の一つが、これまで幾度となく発生している日本漁船の被だ捕・被銃撃事案の未然防止です。こうした事案の発生は我が国として受け入れられるものではありませんが、その発生につながるおそれのある僅かな状況の変化も見逃してはならず、また、万が一の事態に備え、僚船と共に24時間・365日体制で根室海峡及び同周辺海域において監視・警戒を行っています。 また、同海峡等における巡視船艇の対応が日露両国間の外交問題に発展することもあり得ることから、法に則り冷静かつ的確に業務を遂行することが求められています。 最近では、ロシアのスベトリャク型警備艇が昨年8月から9月にかけて20日間以上にわたり納沙布岬沖の我が国固有の領土である貝殻島付近海上に停留したことから、緊迫感漂う中、その動静監視を続けた事例があります。 このように一旦事案が発生すれば、非常に難しい判断を迫られる緊張の最前線ですが、北方領土及びその周辺海域は、私たちの祖先、先人たちが命がけで切り開いてきたものであるということに思いを馳せ、乗組員一同、我が国を代表して北方海域のしょう戒の第一線を担っているとの誇りを持って、今後も北の護りを固めていく所存です。 |