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CHAPTER3 外国漁船による違法操業等への対策
我が国周辺海域の豊富な水産資源を狙い、違法操業を行う外国漁船は後を絶ちません。これらの外国漁船は、夜間や荒天下に排他的経済水域(EEZ)の境界付近などの遠方海域で違法操業を行い、さらには、巡視船艇・航空機の接近を察知すると摘発を逃れるため長時間にわたって逃走するなど、その態様は広域化、悪質化しています。
我が国領海では、外国漁船による操業が原則として禁止されています。一方、我が国EEZでは、我が国と漁業協定を結んでいる中国、韓国、ロシアの漁船は、EEZ漁業法適用特例対象海域を除き、我が国の許可に基づいた操業が認められています。
大時化の尖閣諸島沖EEZで韓国漁船船長を逮捕
平成24年2月17日、しょう戒中の那覇航空基地所属の航空機が、尖閣諸島久場島沖の我が国EEZ内で違法操業中の韓国漁船を発見しました。航空機の接近を察知した韓国漁船は逃走を開始しましたが、巡視船「ちくぜん」及び巡視船「いしがき」による、大時化の中での果敢な追跡と停船命令の結果、逃走を断念しました。また、韓国漁船の停船後も、荒天により接舷・移乗が困難な状況の中、一瞬の機を失することなく、「ちくぜん」の搭載艇により韓国漁船に接舷して海上保安官を移乗させ、韓国人船長を「EEZ漁業法」違反(操業水域違反)により、逮捕しました。翌日、代理人から担保金制度に基づく担保金の提供を保証する書面が提出されたため、「EEZ漁業法」に基づき韓国人船長を釈放しました。
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▲韓国漁船に接近する搭載艇(右) |
平成24年の現況
平成24年の外国漁船の検挙隻数は7隻で、前年より4隻減少しました。違反の内容別では、「EEZ漁業法」違反が4隻(無許可操業2隻、操業水域違反1隻、許可内容違反1隻)、「漁業法」違反(立入検査忌避)が3隻となっています。
また、外国漁船による違反操業等は、北海道、九州、沖縄周辺海域及び日本海と広範囲に確認されており、外国漁船船長を逮捕するなどして厳格かつ的確に対処しています。
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▲荒天下において外国漁船を追跡する巡視船 |
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今後の取組み
海上保安庁では、引き続き、関係機関のほか地元漁業者などの地域住民との連携・協力を図り、情報収集・分析活動に基づく巡視船艇・航空機の効率的かつ効果的な運用を図るとともに、逃走・妨害等を行う外国漁船を停船させるために必要な能力のさらなる向上を図ることにより、厳正かつ的確な監視取締りを実施していきます。
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