海上保安レポート 2013

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 領海・EEZを守る海上保安庁


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > CHAPTER6 テロ対策
1 治安の確保
CHAPTER6 テロ対策

平成13年に発生した米国同時多発テロ以降、各国が協調してテロ対策を進めていますが、平成25年1月には、在アルジェリア邦人拘束事件が発生し、多数の日本人が犠牲になるなど、我が国にとってもテロの未然防止は引き続き重要な課題です。

海上保安庁では、原子力発電所等の臨海部の重要施設の警戒監視など、関係機関との緊密な連携のもと、テロ対策に取り組んでいます。

平成24年の現況

平成24年においても、引き続き、臨海部の原子力発電所、石油コンビナート等の危険物施設、米軍施設等、海上からのテロ攻撃の標的となり得る施設について、巡視船艇・航空機による監視警戒を実施しました。

特に、原子力発電所等に対するテロ対策については、平成23年3月の福島第一原子力発電所事故を受け、さらなる対策の強化が喫緊の課題となっていることを踏まえ、装備資機材の整備拡充等の必要な措置を講ずるとともに、平成24年10月には、初の試みとして、海上自衛隊との原子力発電所に対するテロ対処に係る共同訓練を行うなど、関係省庁との連携をこれまでより一層強化しました。

また、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始等の旅客の移動が活発となる時期には、人が多く集まる旅客ターミナル等での警戒を重点的に実施しました。

さらに、国際港湾においては、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際船舶・港湾保安法)」に基づき、入港する船舶に対して立入検査等を実施するなど、関係機関と連携して水際対策を行っています。平成24年においては、船舶に義務付けられた自己警備のための保安措置が的確に講じられているかを調査するため、3,651隻の船舶に対して立入検査を行いましたが、テロの標的となるような保安上問題のある船舶は認められませんでした。

今後の取組み

海上保安庁では、今後とも、各種訓練等を通じ、全国の警備実施等強化巡視船をはじめとする巡視船艇・航空機の対処能力のさらなる向上に努めるとともに、国内外のテロ情勢に応じた対策や現場要員の確保を推進します。さらに、関係機関や地域とも緊密な連携を図りながらテロの未然防止に取り組んでいきます。


テロ対策訓練
▲テロ対策訓練
年末年始特別警戒
▲年末年始特別警戒
 
原子力発電所周辺海域を警戒する巡視船
▲原子力発電所周辺海域を警戒する巡視船