海上保安庁では、昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船・工作船を確認しています。これらの不審船・工作船は、平成13年の九州南西海域における工作船事件にみられるように、覚せい剤の運搬や工作員の不法出入国等の重大犯罪に関与している可能性が高く、我が国の治安を脅かす不審船・工作船の活動を未然に防止することは重要な課題です。
海上保安庁では、巡視船艇・航空機による監視警戒を行うとともに、各種対策訓練の実施に努め、発見時には適切に対応できるよう備えています。
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1 治安の確保
CHAPTER7 不審船・工作船対策
海上保安庁では、昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船・工作船を確認しています。これらの不審船・工作船は、平成13年の九州南西海域における工作船事件にみられるように、覚せい剤の運搬や工作員の不法出入国等の重大犯罪に関与している可能性が高く、我が国の治安を脅かす不審船・工作船の活動を未然に防止することは重要な課題です。 海上保安庁では、巡視船艇・航空機による監視警戒を行うとともに、各種対策訓練の実施に努め、発見時には適切に対応できるよう備えています。 平成24年においては、不審船・工作船の活動は確認していませんが、平成24年4月と12月の北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射事案や平成25年2月の北朝鮮による核実験の実施など、昨今の朝鮮半島情勢は依然として緊迫した状況にあり、我が国周辺海域における不審船・工作船対策は引き続き重要な課題です。海上保安庁では、情報収集や巡視船艇・航空機による監視警戒により、不審船・工作船対策に万全を期しています。 また、不審船・工作船への対応を主目的として整備された「2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)」、「1,000トン型巡視船(高速高機能)」及び高速特殊警備船を中心に、海上自衛隊との共同訓練をはじめとする各種訓練を実施しました。 このほか、関係機関や民間ボランティア等との情報交換を緊密に行うことにより、不審船・工作船に関する情報収集体制の強化を図りました。 今後とも、不審船対応能力の維持・向上に努め各種訓練を実施するとともに、関係機関等との連携を一層強化して、不審船・工作船の早期発見に努め、発見時には厳格に対処していきます。 海上保安資料館横浜館の入館者が「200万人」突破
横浜海上防災基地(神奈川県横浜市)にある海上保安資料館横浜館では、平成13年に発生した九州南西海域工作船事件での工作船と回収物を展示しています。同館では、平成24年度海上保安庁観閲式及び総合訓練の2日目にあたる平成24年6月3日に入館者数が200万人を突破しました。事件発生から既に10年以上が経過していますが、工作船事件を風化させることなく、不審船・工作船対策の重要性を国民の皆様に伝え続けています。
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