海上保安レポート 2012

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 東日本大震災


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 領海等を守る

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 交通の安全を守る

8 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > CHAPTER 7 不審船・工作船対策
1 治安の確保
CHAPTER 7 不審船・工作船対策

海上保安庁では昭和23年の発足以来、これまで21隻の不審船を確認しており、特に、平成13年に発生した九州南西海域における工作船事件では、捜査の結果、この工作船が覚醒剤の運搬や工作員の不法出入国等の重大犯罪に利用されていた可能性が高いことが明らかになりました。海上保安庁では、こうした我が国の治安を脅かす不審船・工作船の活動を未然に防止するため、巡視船艇・航空機による監視警戒を行うとともに、発見時に適切に対応できるよう各種対策訓練を重ね、事案発生に備えています。

平成23年の現況

昨今の朝鮮半島情勢は、北朝鮮による核実験、ミサイル発射、韓国哨戒艦撃沈、韓国延坪島砲撃等、依然として緊迫した状況にあり、我が国周辺海域における、不審船・工作船対策は引き続き重要な課題です。海上保安庁では、情報収集や巡視船艇・航空機による監視警戒により、不審船・工作船対策に万全を期しており、平成23年においては不審船・工作船の活動は確認していません。

また、不審船・工作船への対応を主目的として整備された「2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)」、「1,000トン型巡視船(高速高機能)」及び高速特殊警備船を中心に、各種訓練を実施しました。

このほか、関係機関や民間ボランティア等との情報交換を緊密に行うことにより、不審船・工作船に関する情報収集体制の強化を図りました。

不審船対策訓練の状況 訓練中の船橋内の様子
▲不審船対策訓練の状況 ▲訓練中の船橋内の様子

2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能) 平成13年九州南西海域における工作船事件での威嚇射撃状況
▲2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能) ▲平成13年九州南西海域における
工作船事件での威嚇射撃状況
今後の取組み

今後とも、不審船対応能力の維持・向上に努め各種訓練を実施するとともに、関係機関等との連携を一層強化して、不審船・工作船の早期発見に努め、発見時には厳格に対処していきます。