平成23年の海上犯罪の送致件数は7,356件であり、前年より735件減少しました。

法令別では、海事関係法令違反が3,349件と最も多く、次いで漁業関係法令違反が2,264件、刑法犯が896件、海上環境関係法令違反が593件となっています。

犯罪種別としては、海事関係法令では、依然として無検査航行や定員超過等の船舶安全法関係法令違反が1,654件と最も多く、漁業関係法令では、禁止漁具の使用や殻長制限違反、漁業権の侵害、刑法犯では、衝突や乗揚げ等の業務上過失往来危険や過失傷害、海上環境関係法令では、船舶からの油等の不法排出や廃棄物の不法投棄等がそれぞれ多く発生しています。このほか、薬物や銃器等の密輸事犯10件、不法出入国（いわゆる密航）事犯2件を検挙しています。

これらの海上犯罪の捜査に関し、裁判員制度の導入等による客観的証拠の重要性の高まりを踏まえ、迅速かつ的確な証拠保全を行うための鑑識業務に従事する「鑑識官」を設置（平成23年10月より設置）するとともに、鑑定業務のために必要となる資機材の整備を行うなど、鑑識・鑑定の体制強化を図っています。

▲押収した空気銃	▲押収した密漁毛がに
▲衝突した船舶を実況見分する海上保安官

■海上犯罪送致件数（平成23年）	■海上犯罪送致件数の推移

■海事関係法令違反の送致件数の推移	■刑法犯の送致件数の推移