海上保安レポート 2012

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 東日本大震災


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 領海等を守る

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 交通の安全を守る

8 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

特集 東日本大震災 > III 大震災を乗り越えて > 1.海上保安庁の装備・施設の被害状況
特集 東日本大震災 ― 海上保安庁の対応と今後の対策 ―
III 大震災を乗り越えて
1.海上保安庁の装備・施設の被害状況

今回の震災では、海上保安庁の事務所等が被災地の主要港湾に立地しているため、船艇・航空機や施設も甚大な被害を受け、いくつかの海上保安部署や仙台航空基地では業務執行が困難な状態になりました。

海上保安庁では、直ちに、本庁、各管区海上保安本部から第二管区海上保安本部に対して、船艇・航空機や要員の応援派遣、物資の搬送などの必要な支援を行いました。

また、壊滅的な被害を受けた釡石海上保安部、宮古、石巻、気仙沼の各海上保安署では、迅速な業務機能の回復に努め、4月下旬までに仮庁舎を確保して移転し、業務にあたりました。

巡視船「くりこま」

仙台塩釡港に係留中の巡視船「くりこま」(1,000トン型、宮城海上保安部所属)は、津波到達時間を勘案すると沖への出港が困難であると判断して総員退船させたところ、津波により係留索が切断して流出し、浅瀬に座礁。

その後、民間サルベージにより離礁作業が行われ、造船所で修理工事を行い、平成23年12月に修理を完了し、現場第一線に復帰。

被災した航空機

仙台航空基地及び民間整備場に点検等のために駐機中の航空機8機(飛行機3機、ヘリコプター5機)が流出、浸水。

被災した航空機のうち、損傷の程度が比較的小さかった飛行機1機(ボンバルディア300)は修理工事を行い、平成24年3月に修理を完了し、現場第一線に復帰。その他の航空機については、代替機の整備を実施。