海上保安レポート 2010

はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


07 交通の安全を守る > CHAPTER1 海難の現況
07 交通の安全を守る
CHAPTER1 海難の現況
平成21年の現況

平成21年中の海難船舶隻数は2,549隻と、平成20年に比べ135隻増加しましたが、過去10年間においては、平成20年(2,414隻)、平成17年(2,482隻)、平成18年(2,544隻)に次いで4番目に少ない海難船舶隻数となっています

  • 海難船舶隻数…2,549隻(前年比135隻〈6%〉増加)
  • 死者・行方不明者を伴う海難船舶隻数…54隻(前年比1隻〈2%〉増加)
  • 海難による死者・行方不明者数…143人(前年比19人〈15%〉増加)

■ 船舶種類別死者・行方不明者数

死者・行方不明者は、漁船が68人と全体の48%を占めており、次いで貨物船が38人(全体の27%)となっています。特に貨物船の死者・行方不明者は、一度に多数の死者・行方不明者が生じる海難が発生したこともあり、平成20年(6人)に比べ32人増加しました。


■ 海難の原因別発生状況

発生原因としては、人為的要因が全体の76%を占め、その中でも特に見張り不十分が21%と一番多く、次いで操船不適切が14%と基本的なミスによる海難が目立っています。

新交通ビジョン「海上交通の安全確保に向けての新たな展開」

海上保安庁では、安全で効率的な海上交通を実現するため、「新交通ビジョン〜海上交通の安全確保に向けての新たな展開〜」(平成20年6月交通政策審議会答申)に沿って、海域や船舶の種類ごとの特性に応じた様々な取組みを行うとともに、昨今のIT等の最新技術を十分に活用した安全対策を推進し、海難の減少を目指しています。

重点施策

1) 海難分析・対策立案機能の強化

2) AIS(船舶自動識別装置)の整備等を踏まえた航行安全対策・効率性の向上

3) 地域特性に応じたきめ細やかな海難防止活動の推進

4) 特性を活かした安全情報の提供

5) IT等の最新技術を活用した安全対策の推進

6) 航路標識の整備、管理のあり方