海上保安レポート 2017

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 平和な海の継承〜海上保安庁の使命〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の 任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 治安の確保 > Column vol.04 潜水器密漁グループを立て続けに検挙! 〜悪質な密漁者20名を逮捕!〜
1 治安の確保
Column Vol.04
潜水器密漁グループを立て続けに検挙! 〜悪質な密漁者20名を逮捕!〜
第一管区海上保安本部

中華料理等に使用される「乾燥なまこ」の高騰を背景に、近年、北海道では暴力団が関与する「なまこ」の潜水器密漁が横行し、海上保安庁に対し漁業関係者から強い取締り要請を受けています。小樽海上保安部では、長期にわたる内偵捜査により、ゴムボートを使用して常習的に「なまこ」潜水器密漁の犯行に及んでいる密漁グループを突き止め、平成28年6月21日未明、寿都町において密漁物の陸揚げ現場を押さえ、北海道海面漁業調整規則違反により、7名を現行犯逮捕しました。

密漁された「なまこ」は518.45kg(時価総額約240万円)で、犯行に使用された、ゴムボート、潜水器具等を押収しました。

その後の捜査の結果、現場から逃走した3名を突き止めて逮捕し、事件の全容を解明しました。

また、留萌海上保安部でも同様に、平成28年7月12日深夜、苫前町沖合海域において無許可で「なまこ」を採捕した潜水器密漁グループ実行犯8名を逮捕し、「なまこ」108kg(時価総額約40万円)等を押収しました。

その後の綿密な取調べ等により、同密漁物の「買屋」として、暴力団組員2名が本件に関与(ほう助)していたことを突き止めて逮捕し、事件の全容を解明しました。

これらの事件では、当該潜水器密漁グループを壊滅に追い込むとともに、地元新聞やテレビにおいても大きく取り上げられました。また、漁業関係者や一般市民からの賞賛の声が寄せられるとともに、密漁者に対する大きな警鐘となりました。

今後も、悪質な潜水器密漁の撲滅に向け、取締りをいっそう強化することとしています。


密漁ゴムボート上のなまこ(小樽)
密漁ゴムボート上のなまこ(小樽)
密漁に使用されたゴムボートとボンベ等(小樽)
密漁に使用されたゴムボートとボンベ等(小樽)

押収したなまこ(留萌)
押収したなまこ(留萌)
密漁に使用されたゴムボートと潜水器具(留萌)
密漁に使用されたゴムボートと潜水器具(留萌)