尖閣諸島周辺海域では、平成24年9月以降、中国公船が荒天の日等を除きほぼ毎日接続水域を航行しており、領海侵入する事案も発生しています。
平成28年8月には、中国漁船に引き続く形で中国公船が尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入を繰り返す事案が発生するなど、情勢は依然として予断を許さない状況にあります。また、中国公船の大型化・武装化・増強も確認されており、尖閣諸島をめぐる状況はいっそう厳しさを増しています。
このような厳しい状況の中でも、海上保安庁は、領土・領海を断固として守り抜くとの方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然とした態度で対応しています。
尖閣諸島は、南西諸島西端に位置する魚釣島(うおつりしま)、北小島(きたこじま)、南小島(みなみこじま)、久場島(くばしま)、大正島(たいしょうとう)、沖ノ北岩(おきのきたいわ)、沖ノ南岩(おきのみなみいわ)、飛瀬(とびせ)等からなる島々の総称です。
尖閣諸島位置関係図 |
尖閣諸島周辺海域の広さ |
尖閣諸島周辺の領海の面積は約4,740平方kmで、東京都と神奈川県の面積の合計(約4,605平方km)とほぼ同じ広さです。また、尖閣諸島周辺の領海・接続水域を四国と重ね合わせると、その広さや形がよく似ています。海上保安庁では、この広大な海域で、昼夜を分かたず、巡視船艇・航空機により領海警備を実施しています。
尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しません。(外務省HPから抜粋)
尖閣諸島周辺海域における主な情勢 |
近年、尖閣諸島周辺海域では、中国公船の領海侵入が繰り返されています。平成28年においても、平成27年に比べて大きな変化はなく、荒天の日等を除きほぼ毎日、接続水域を航行している状況であり、依然として緊迫した情勢が続いています。
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尖閣諸島周辺海域では、外国漁船による活動も続いています。平成28年の領海からの退去警告隻数は、中国漁船については104隻、台湾漁船については76隻となっており、昨年に比べて増加しています。同海域には多数の外国漁船が存在しており、引き続き警戒していく必要があります。
尖閣諸島周辺海域における外国漁船の退去警告隻数 (平成28年末現在) |
海上保安庁では、現下の情勢をふまえ、第十一管区海上保安本部所属の巡視船艇・航空機をはじめ、必要に応じ全国からの応援派遣により必要な勢力を確保し、中国公船に対して領海に侵入しないよう警告するとともに、警告にも関わらず領海に侵入した場合には、退去要求や進路規制を行い、領海外に退去させています。
さらには、外国漁船や領有権に関する独自の主張を行う活動家船舶等に対しても、我が国の領土・領海を断固として守り抜くという方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然と対応しています。
平成28年8月5日、中国漁船に引き続く形で、中国公船が尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、8月9日までに延べ28隻の中国公船が我が国領海に侵入しました。このような事案は今回が初めてであり、8月8日には、尖閣諸島周辺の接続水域内において、過去最大の15隻もの中国公船が同時に確認されました。 海上保安庁では、現場において我が国領海内に侵入しないよう警告し、領海侵入が発生した際には、その都度、現場において退去要求等を行い、冷静に、かつ、毅然と対応しました。また、外務省を通じ外交ルートで中国政府に対してただちに厳重に抗議し、即時の退去を強く求めました。 このような事案にも、海上保安庁においては万全の体制で対応し、引き続き我が国の領土・領海を断固として守り抜くという方針の下、関係省庁と緊密に連携し、領海警備に万全を期していきます。 |