海上保安レポート 2015

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 離島周辺や遠方海域における海上保安庁の活躍


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

目指せ! 海上保安官 > 女性職員の活躍推進
目指せ! 海上保安官
女性職員の活躍推進

海上保安庁では、女性の更なる活躍推進や、ワークライフバランスの推進に向けた政府全体の取組み等をふまえ、平成26年度に、海上保安庁次長を本部長とする「海上保安庁女性職員活躍・ワークライフバランス推進本部」を設置し、女性職員が活躍できる職場環境の整備等をこれまで以上に推進しています。

同本部においては、女性職員の活躍を支える取組みとして、代表的な取組みを2つご紹介します。

女性職員の採用に向けた募集強化
女子高校生に対する業務説明の様子
女子高校生に対する業務説明の様子

海上保安庁では、業務上、巡視船艇の運航に必要な知識や技能を持った職員がその大半を占めており、海上保安庁の採用試験を受験する女性は、いわゆる「リケジョ」といわれる方々が多くなっております。しかしながら、巡視船艇の運航に必要な知識・技能は、採用後に必要な教育を行なっていることから、近年は、これまであまり海上保安庁の採用試験を受験する方の少なかった文系の学校や、さらには、女子高校等への採用募集活動も積極的に行なっています。この結果、近年、海上保安庁の採用試験を受験する女性は増加傾向になっています。


職員のワークライフバランスに配慮した人事運営

海上保安庁の業務は、24時間365日休むことができません。しかしながら、それを支える職員が抱える育児や介護も24時間365日休むことができません。

こうした海上保安庁の業務執行体制を維持しつつ、職員のワークライフバランスにも配慮するためには、育児や介護を配偶者等のパートナーとともに分担しながら、仕事と家庭を両立できる環境整備が必要不可欠になっています。

海上保安庁では、こうした育児や介護等の事情を抱える職員に対して、例えば、夫婦を同居できる配置や、職員の両親等の親族から支援を受けることのできる配置等、職員1人1人が抱える事情に応じた人事運営を積極的に行なっています。


このような取組みの中、平成27年4月1日現在、782人の女性職員が全国各地で海上保安業務を行っており、性別を問わず、その能力や適性に応じ、海上保安署長や次回巡視船船長等、現場での主要な役職に就いています。

様々な職場で活躍する女性職員
PS型巡視船船長

私はPS型巡視船で船長をしています。主な仕事は、所属保安部担当エリアでの海難救助、船舶への安全指導や密漁取締り等です。

さらに、業務の応援のために他の管区等へ派遣されることもあります。船長は、5年ほど前にPC型巡視艇での勤務以来2度目ですが、巡視艇と比較すると船体やエンジンの馬力は大きく、乗組員の数は増え、与えられる任務も違うため初めて経験する仕事も多く、新たな気持ちで勤務しています。


渉外係長

私は海上保安部で渉外係長をしています。広報・留置業務・物品の購入等、後方支援業務がメインです。実際に行っていることはマスコミ対応や留置した被疑者対応、物の購入や修繕等の発議書の作成といった地味なものですが、していることは地味でも、最終的には現場の海上保安官の業務達成に繋がります。憧れて入った海上保安庁。当庁の船艇、航空機を動かすために私がいる! と勝手に思い込んで勇往邁進の日々です。


機関科職員

私はPC型巡視船の機関科職員として勤務し、エンジンの運転や整備、取締りや訓練のほか、外国船による事故の捜査等に得意の語学を生かして積極的に対応しています。このほか、傷病人や被疑者が女性の場合の対応等、女性保安官だから必要とされる業務もあります。普段の業務に女性だからという特別扱いはなく、努力次第で希望する分野の研修や業務に進む機会は男性と同じように得られます。自分の努力次第でどのようにも成長でき、それを生かせる海上保安庁を舞台に、皆さんも自分の世界を広げてみませんか?


Web-GISサービスの管理・運用

私は、一般の大学を卒業した後、国家公務員総合職試験を受験し海上保安庁へ入庁しました。現在は、「海洋台帳」、「CeisNet」といったWeb-GISサービスの管理・運用を行っています。配属当初はGISという言葉すら知らなかった私にとっては勉強の毎日ですが、最先端のWeb-GIS技術でシステムの構築に携わっていることに、やりがいと責任を感じます。「常に利用者目線で、よりよいサービスを!」をモットーに、これからも業務に邁進します!