平成23年9月13日午前7時26分ころ、第九管区海上保安本部に「石川県輪島沖に、ハングルを表示した見慣れない船舶がいる。」旨の118番通報があり、巡視船艇・航空機により調査に当たったところ、午前8時55分に当該船舶を発見しました。当該船舶には9名(男性3名、女性3名、子供3名)が乗船しており、海上保安官に対して、「韓国に向け北朝鮮を出港してきた、救助して欲しい」などと説明しました。このため、この9名を巡視船に移乗させ、巡視船内で関係機関とともに事情聴取を実施しました。翌14日、入国管理局から仮上陸許可書が発行されたことから、海上保安庁の航空機により、小松空港経由で長崎空港へ輸送し、法務省入国管理局職員に引き渡しを行い、10月4日、9名は韓国へ向け出国しました。
平成23年12月19日、北朝鮮金正日総書記の死亡報道を受け、海上保安庁では、本庁及び日本海側を管轄する管区海上保安本部(一、二、七、八、九、十管区)に対策本部を設置し、関係機関と緊密に連携の上、情報収集体制を強化するとともに、全国的に巡視船艇・航空機による監視・警戒体制を強化しました。また、原子力発電所等の臨海部の重要施設についても監視・警戒体制を強化するなど、不測の事態発生に備え万全を期しています。
▲巡視船に係留中の漂流船(右) |
平成24年1月6日午前11時30分ころ、地元警察から隠岐海上保安署に「隠岐の島沖に無人の船が漂流している。」旨の通報があり、直ちに巡視船・航空機を発動させ調査確認を行ったところ、船体にハングルが表示された船舶の船上に乗船者3名と遺体1体を確認しました。乗船者に対する事情聴取や船体の調査結果等から、同船は平成23年12月中旬ころに北朝鮮東岸の港を出港し、漁をしていたところ、エンジン故障により漂流して遭難したことが判明したため、関係省庁間で調整を行い、1月9日に乗船者3名を海上保安庁の航空機により福岡空港まで搬送しました。その後、3名は民間航空機により中国へ向け出発し、北朝鮮側に引き渡されました。また、遺体については、関係省庁間での調整に基づき、1月19日に日本赤十字社に引き渡しました。