海上保安レポート 2009
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はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


■本編

治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


本編 > 交通の安全を守る > 3. 海難防止対策
交通の安全を守る
3. 海難防止対策
目標
 海上保安庁では、海上交通ルールの遵守、安全運航の励行等の海難防止対策を推進して、海難及び船舶からの海中転落による死者・行方不明者の減少を目指しています。
平成20年の現況

海難を防止するためには、船舶運航者をはじめとする海事関係者や漁業関係者、マリンレジャー愛好者、さらには国民一人一人の海難防止に関する意識を高めることが重要です。
 海上保安庁では、これまでの海難の分析結果に基づき、「見張り不十分又は操船不適切による衝突海難の防止」を重点事項に定め、7月16日から31日の間、官民一体となって「全国海難防止強調運動」を全国一斉に実施しました。また、霧などの気象条件や海難の発生傾向など地域や各種船舶の特性を考慮し、地方ごとに「地方海難防止強調運動」を展開し広く海難防止を呼びかけました。
 また、各省庁が実施する海難防止に係る各種施策について、意見交換や調整等を行い、効果的に各種施策を融合し、連携を図ることを目的に、平成20年2月に「関係省庁海難防止連絡会議」を設置しました。同会議においては、重点対象事項を「漁船の安全対策の推進」とし、漁船海難隻数並びに漁船海難及び漁船からの海中転落による死者・行方不明者の減少に向け、各省庁が連携を強化することが決定されています。具体的には、講習会の開催、合同パトロールによる現場指導、沿岸域情報提供システムMICS)のユーザー拡大、ライフジャケットの着用推進、乗組員の災害防止のための情報交換等に取り組むこととしています。

今後の取組み
(1)海難防止思想の幅広い普及

海難防止に関する意識を高めるため、海難防止講習会や訪船指導等あらゆる機会を通じて海上交通ルールの遵守、安全運航の励行を指導していきます。

また、引き続き「全国海難防止強調運動」等を実施し、船舶運航に携わる方々はもとより、国民の皆さんに対して広く海難防止を呼びかけ、海難防止思想の普及を図ります。


(2)個別の海難防止対策の推進
・プレジャーボートに対する海難防止対策

マリンレジャー愛好者自らが安全意識を十分に持つことが重要であるため、海難防止講習会や訪船指導を通じて海難防止思想の普及を図り、またマリンレジャーが盛んな海域におけるルール作りの促進等、地域に密着した安全対策の推進に取り組んでいきます。(マリンレジャーの安全推進については本編 - 生命を救う - 1. 海難救助をご覧ください。)

・漁船に対する海難防止対策

関係省庁が連携し、「関係省庁海難防止連絡会議」で決定された取組みを推進します。特に地域ごとにきめ細かく海難防止講習会や訪船指導等を実施し、安全意識の高揚・啓発を図るとともに、出漁前の船体や機関等の点検、見張りの励行、インターネットや携帯電話等による気象・海象情報等の的確な把握など、安全運航に関する事項の遵守及び海上交通ルールの励行を指導していきます。

・外国船舶に対する海難防止対策

我が国周辺海域の地理や気象・海象の特性等に不案内な外国船舶に対し、ふくそう海域の航法や航路標識の設置状況等の航行安全上必要な情報等について訪船指導やホームページを活用するなどして周知を徹底していきます。
 また、日本海においては、外国船舶による木材流出事故が頻発し、流出した木材が付近航行船舶の安全を阻害する事例や漁業施設を損壊する事例、海岸及びその付近に漂着した木材が海浜環境に被害をもたらす事例等が発生しています。このため、外国語版リーフレットを用いて乗組員等に対し直接指導を行うほか、必要に応じ外交ルートを通じた申し入れを行うこととしています。


漁船に対する訪船指導 海難防止講習会
▲漁船に対する訪船指導 ▲海難防止講習会