海上保安レポート 2009
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はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


■本編

治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


本編 > 交通の安全を守る > 1. 海難の現況
交通の安全を守る
1. 海難の現況
平成20年の現況

平成20年には、航路を閉そく(閉じふさぐこと)するような大規模海難は発生していません。海難船舶隻数は2,414隻で、平成19年に比べ165隻減少し、過去10年間で最も少ない海難船舶隻数となっています。用途別でみると、顕著に減少したのは、漁船とプレジャーボートです。特に漁船については、漁業就業者が減少傾向にあることに加え、8月にピークを迎えた原油価格高騰による休漁などが、海難の減少につながっているものと考えられます。

また、死者・行方不明者を伴う海難船舶隻数は53隻で、平成19年に比べ6隻減少しましたが、海難による死者・行方不明者は124人で、平成19年に比べ37人増加しています。これは、4月の青森県陸奥湾内でのホタテ養殖漁船転覆(死者8名)や6月の千葉県銚子沖でのまき網漁船転覆(死者4名、行方不明者13名)、12月の北海道積丹沖での外国貨物船の事故(死者2名、行方不明者10名)のように、一度に多数の死者・行方不明者が生じる海難によるものです。

海難の発生原因としては、運航者の基本となる安全意識の欠如に伴う見張り不十分や操船不適切が目立ちました。


●海難船舶隻数、死者・行方不明者を伴う海難船舶隻数
  及び海難による死者・行方不明者数の推移    
海難船舶隻数、死者・行方不明者を伴う海難船舶隻数及び海難による死者・行方不明者数の推移

●平成20年の海難の原因別発生状況    
平成20年の海難の原因別発生状況

島根県水産実習船及び まき網漁船による衝突海難

平成20年10月8日夜、鳥取県境港内で島根県水産実習船「わかしまね」(総トン数196トン、乗員25名)とまき網漁船「第二十二事代丸」(総トン数222トン、乗組員5名)が衝突しました。「わかしまね」は、実習生や乗組員が救命いかだを降ろして全員脱出した後に沈没しました。海上保安庁では、現場に巡視船艇・航空機を派遣し、沈没した船舶等の調査を行うとともに、関係機関等と協力して流出した油に対して防除活動を行いました。


衝突し、沈没後に引き上げられる「わかしまね」
▲衝突し、沈没後に引き上げられる「わかしまね」