海上保安庁では海洋環境の保全のため、海洋汚染発生状況の把握、汚染源の特定等による新たな汚染の防止、指導・啓発活動による汚染の未然防止、海洋環境の改善に取り組んでいきます。
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1. 海洋環境保全対策
海上保安庁では海洋環境の保全のため、海洋汚染発生状況の把握、汚染源の特定等による新たな汚染の防止、指導・啓発活動による汚染の未然防止、海洋環境の改善に取り組んでいきます。
海上保安庁では、平成18年に海上において油、廃棄物、有害液体物質、赤潮、青潮などの海洋汚染の発生を470件確認しました。平成17年より110件増加しています。種類別に見れば、油によるものが306件と77件増加、廃棄物によるものが106件と12件増加しており、依然として海洋汚染は後を絶ちません。なお、これらのデータは「海洋汚染の現状」として毎年公表しており、インターネットで公開しています。(http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h19/index.html)
■海洋汚染の海域別発生確認件数(平成18年) ■海洋汚染の発生確認件数の推移 海上保安庁では、海洋環境の保全意識を高めるため、引き続き海事・漁業関係者に対して廃棄物の適正処理の指導、油等の排出防止のための技術的な指導及び関係法令の励行などに努めます。
また、次世代を担う子どもたちを主な対象とした海岸漂着ゴミ分類調査、海上保安官が作成した環境紙芝居の上演、水質検査実験等を体験する環境教室、「未来に残そう青い海・図画コンクール」などを通じ、幼い頃から環境保全の心を養ってもらえるよう、啓発活動に取り組んでいきます。 一方、海洋汚染の現状を正確に把握するため、閉鎖性の高い海域等において海水及び海底堆積物を採取し、石油、PCB、重金属の他、新たな海洋汚染物質である内分泌かく乱物質等の調査を引き続き実施していくほか、我が国周辺海域における放射能水準を把握するため、海水及び海底堆積物中の人工放射性物質の調査も実施していきます。 なお、これらの調査結果は報告書として取りまとめ、インターネットで公開をしています。 (http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/OSEN/oceanenv.html) 未来に残そう青い海
海上保安庁では、(財)海上保安協会と協力して、全国の小中学生を対象とした「未来に残そう青い海・図画コンクール」を実施しています。 第7回目となる平成18年度は、過去最多の32,478点の応募がありました。審査員からは「年々作品のレベルが高くなっています。色彩も美しくオリジナリティのある作品が多く、審査に悩むほどでした。作者の住む地域が一枚の絵にも現れていて「青い海」という表現の多彩さに感動しました。」との総評を頂きました。 このコンクールによって海の環境を守る心を育んでいただければと考えています。図画コンクールは、平成19年度も行う予定です。詳細はお近くの海上保安部署にお尋ね下さい。 ■海上保安庁長官賞受賞作品
全国海の再生プロジェクト
東京湾のような背後に大都市を抱えた閉鎖性の高い海域では、生活排水などが大量に流れ込むことに加え、外海との海水の循環が起こりにくいため、富栄養化による慢性的な赤潮の発生や、有機汚濁による貧酸素水塊が生じ、水産動植物へ大きな影響を与えるなどの多くの問題が発生しています。 「全国海の再生プロジェクト」はこれらの問題の改善のため、海上保安庁及び国土交通省を中心とする関係省庁及び自治体が連携して、汚濁負荷削減対策、海域の環境改善対策、環境モニタリング等の各種施策を推進しており、平成14年に始まった東京湾再生プロジェクトを皮切りに、現在全国4か所(東京湾、大阪湾、伊勢湾、広島湾)で行われています。 平成19年3月、伊勢湾再生プロジェクト及び広島湾再生プロジェクトにおいて「再生のための行動計画」が取りまとめられました。また、東京湾再生プロジェクトにおいて平成15年3月に策定された「東京湾再生のための行動計画」の第1回中間評価を行い、新たな取組みとして多様な主体との連携・協働による東京湾再生の推進や重点エリア・アピールポイントにおける取組みが追加されました。 今後も関係省庁等と連携のうえ、海の再生への取組みを引き続き推進していきます。 ■全国海の再生プロジェクトの展開 |