▲沿岸の漂着油調査 |
▲住民による回収作業 |
現地では、国際緊急援助チームのメンバーやJICAフィリピン海上保安機関人材育成プロジェクトの長期専門家の協力のもと、フィリピン沿岸警備隊(PCG)の油防除活動に対する指導・助言を行うために、PCGの巡視船やヘリコプターでの浮流油調査、最も深刻な被害が出ているギマラス島での沿岸の漂着油及び回収状況の調査等を実施した。
漂着油は沿岸一帯を覆う状況であり、零細漁業を生活の糧とした多くの地元漁民の生活を脅かす状況であった。また点在するマングローブには、付着した真っ黒な油により枯れ始めた箇所も見受けられた。沿岸には道路が整備されていないため、酷暑の中で島内を小型のボートと道無き道を徒歩で移動しながらの調査であり、困難を極めたものであった。
今回は延べ8日間の派遣であり日数としては長いが、調査と情報分析に追われる日々で、瞬く間に時間が過ぎてしまった。今回の国際社会の耳目を集めた大規模な災害に対し、機動防除隊員が油防除技術の知見を活かして海外で活躍できたことは、私の中では誇れる事であり、今後とも、事故発生時に迅速かつ的確な油防除措置などの活動ができるよう努力したい。