海上保安レポート 2006

●はじめに


■TOPICS 海上保安の一年


■特集1 国際展開する海上保安庁

■特集2 刷新図る海保の勢力


海上保安庁の業務・体制


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える


海保のサポーター


海上保安官を目指す!


語句説明・索引


図表索引


資料編


特集2 > 刷新図る海保の勢力 > 不審船・工作船対策
不審船・工作船対策
逃走する工作船(平成13年12月)
▲逃走する工作船(平成13年12月)
 平成11年3月の能登半島沖不審船事案では、2隻の不審船に対して停船命令、威嚇射撃を実施しましたが、両船はこれを無視して高速で逃走し続けました。当時の巡視船艇では、速力などの能力が必ずしも十分であったといえず、結果として不審船を停船させることはできませんでした。また、平成13年12月の九州南西海域において発生した工作船事件では、工作船が強力な武器を保有し、そのうちの自動小銃及びロケットランチャーにより巡視船に対し攻撃を加え、海上保安官3名が負傷するとともに、巡視船も甚大な被害を受けました。
 海上保安庁ではこれらを踏まえ、高速性に優れ、十分な航続距離を有し、目標追尾型遠隔操縦機能(RFS)付20ミリ機関砲を装備する「高速特殊警備船」、命中精度の高い射撃が可能な射撃管制機能(FCS)付40ミリ機関砲を装備し、高速性能も有する「1,000トン型巡視船(高速高機能)」、「2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)」の整備を進め、さらに、特殊警備隊及びその資機材を最寄りの航空基地や現場に向かう巡視船などに輸送することができる輸送能力に優れた飛行機及びヘリコプターを整備し、不審船・工作船を安全かつ確実に捕捉する体制を強化しています。
2,000トン型巡視船(ヘリ甲板付高速高機能)「あかいし」 1,000トン型巡視船(高速高機能)「でわ」
▲2,000トン型巡視船
(ヘリ甲板付高速高機能)
「あかいし」
全長: 約95.0m
幅: 約13.0m
深さ: 約6.0m
総トン数: 約1,800トン
▲1,000トン型巡視船
(高速高機能)「でわ」
全長: 約79.0m
幅: 約10.0m
深さ: 約6.0m
総トン数: 約770トン
高速特殊警備船「かいもん」  
▲高速特殊警備船
「かいもん」
全長: 約50.0m
幅: 約8.0m
深さ: 約4.0m
総トン数: 約220トン
 
輸送能力に優れた飛行機 輸送能力に優れたヘリコプター
▲輸送能力に優れた飛行機 ▲輸送能力に優れたヘリコプター

不審船が保有している武器への対応
不審船が保有している武器への対応
 
海上保安資料館横浜館
逃走する工作船(平成13年12月)
▲展示している工作船
逃走する工作船(平成13年12月)
▲海上保安資料館横浜館
  海上保安資料館横浜館では広く国民の皆さんに我が国周辺海域の現状と海上警備の重要性などをご理解頂くため、平成13年12月22日に発生した、九州南西海域における工作船事件で使われた工作船及び回収物などを展示しています。同資料館には、平成16年12月の開館以来、平成18年3月末までに約41万人の方が訪れました。

場所:  横浜海上防災基地
(神奈川県横浜市中区新港1-2-1
赤レンガパーク隣)
公開時間: 午前10時から午後5時まで
(閉館30分前に受付終了)
休館日: 毎週月曜日(休日の場合は翌平日)
年末年始(12月29日から1月3日)
見学料: 無料
問合せ先: 第三管区海上保安本部総務課
(電話045-211-1118)
海上保安資料館横浜館
(電話045-662-1185)