| 風光明媚な若狭、山陰の沿岸はマリンレジャーの宝庫で、京阪神、山陽、中京地区から多くの海水浴客や釣客が訪れます。 特に、平成3年頃からは海水浴場の人気が急に高まり、それに伴い海難事故も急増しました。鳥取海上保安署(鳥取県鳥取市)はこれらの事故の大半が、波の高い時に無理な遊泳をして、急速に沖合いに流されて溺れていることに着眼し、「原因は離岸流では?」という推測をもとに地道な調査を開始しました。 「離岸流」とは、海岸から沖に向かう速い流れを言います。遊泳中にこの離岸流に巻き込まれると、その流れに逆らって泳ぐことが困難になり、パニック状態になって溺れてしまうということが起こります。 過去に海難事故が発生している鳥取県岩美町の浦富(うらどめ)海岸で調査した結果、顕著な離岸流の出現を確認しました。 平成14年度からは、この離岸流のメカニズム解明を目的として、大阪大学と共同で、海にシーマーカーを流して、海水の流れの状況をカメラ付きの飛行船で監視する調査を行っています。 離岸流に巻き込まれると、その速い流れによって遠くに流されてしまいます。慌てて岸に向かって泳いでも、強い流れに負けて沖に流されてしまいます。こんな時は、慌てず、岸と平行に泳ぐと離岸流から脱出することができます。 この離岸流からの脱出方法を「うみまる」、「うーみん」が解説したポスターが海水浴場や、海水浴客の利用する京阪神、山陽、中京方面のJR駅、道の駅、高速道路サービスエリアに掲示されています。また、ホームページで離岸流発生場所も紹介しています。 ポスターの効果は上々で、一般の海水浴客から 「離岸流ポスターを目にした」 「離岸流に注意したい。対処方法も勉強になった」 といった声を多数聞いています。 海水浴を楽しむ皆さん、くれぐれも「離岸流」にご注意を! ▲離岸流 ▲監視調査 ▲ポスター |