海上保安レポート 2004
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長官からのメッセージ

■TOPICS 海上保安の1年

■数字で見る海上保安庁
■海上保安庁の体制・業務
■特集 海の犯罪・海保の対応
■本編

・海上交通の安全のために
・人の命を救うために
・安心できる暮らしと環境を守るために
・国内外関係機関との連携・協力
・海上保安庁を支える装備等
・海上保安官になるために


●海上保安Q&A
●船艇紹介
●地方探訪
●航空機の歴史

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〜小学生の体験学習〜
 海上保安学校(京都府舞鶴市)では、舞鶴市内の小学校5、6年生を対象とした体験学習「マリンキャンプin五森」を平成15年8月に1泊2日の日程で行いました。今年で7回目となるマリンキャンプは、舞鶴市教育委員会と海上保安学校が共催している行事で、舞鶴市の特徴である海辺の恵まれた自然の中で野外活動を行うことにより、未来を担う青少年の海についての知識や関心を育てるとともに協調性や自律心を育て、よりたくましく生きる力を身に付けてもらうことを目的としています。
 今回は31名(うち女子22名)が参加。初日は、気温32度という厳しい暑さの中、海上保安学校の学生も最初に覚える敬礼や行進など基本動作を習い、続いて練習船みうらをバックに手旗信号を体験。教官や学生が1から14までの数字を表す動作や片仮名を紅白の旗で表現したりするのを見ながら旗の振り方を学び、慣れない動作に戸惑いながらも自分の名前を一生懸命に覚えました。この後、校内にある舞鶴灯台の見学、航路標識の説明やパソコンの操作方法を学びました。
 初日の訓練、学習は終わり、学生たちと一緒に夕食。小学生たちもだいぶ慣れてきた様子で「なぜ海上保安官になりたいのですか」「お休みは何をしていますか」「彼女はいますか」などの質問攻めに学生たちはタジタジとなってしまいました。午後7時30分からは恒例の花火大会、宝探し(肝試し)ゲーム、天体観測を行いワイワイと終始和やかな、楽しい一時を過ごしました。
 翌日は、午前6時30分に起床し海上保安体操、寝具の返却などを行い、午前8時20分には整然とした雰囲気の中、課業整列(朝礼)に参加。「前へ進め!」と元気な声で、昨日学んだ行進をしながら講堂に移動しました。二日目最初の学習はロープワーク。遭難者を助けるときに使用するロープの結び方や解き方、簡単に結べてしっかりと固定できる方法など学生たち指導のもと、ロープを絡ませながらも真剣に取り組みました。鑑識実習では空ビンにつけた自分の指紋を採取し、教官に「なぜ指紋が採れるのですか」と質問し、好奇心旺盛なところを見せていました。
 昼食を挟んで、午後からは12名で漕ぐ端艇(カッター)の体験。最初は緊張していたのか声も小さく恐る恐る漕いでいましたが、次第に「ソーレ、ソーレ」の掛け声に合わせ、大粒の汗をかきながら力強くオールを握り締めて漕ぎました。途中、みんなで力を合わせないと船は進まないことを話すと小学生たちは納得した様子でした。
 両日とも、晴天に恵まれ暑い日が続きましたが、怪我もなく予定通り体験学習は終了し、最後に感想を聞くと「手旗で自分の名前を作れるようになって嬉しかった。」「たくさんの友達ができて楽しかった。」「学生さんたちがとても親切でした。」「将来は海上保安官になりたいです。」と元気に答えてくれました。
 毎年30名程度の募集に対し約2倍の申し込みがあり、大変人気があるこのキャンプですが2日間という短期間で、海に対して少しでも関心をもってもらえたら嬉しい限りです。
 今後も子供たちの元気一杯な姿をたくさん目にしたいと思います。

手旗信号
▲手旗信号

*五森とは 海上保安学校の地には、かつて五森と呼ばれた集落がありました。五森の由来は恵比寿の森、多茂の森、天王の森、荒神の森、角の森の五つの森があったことにちなみます。それぞれの森には祠が置かれ、四季折々村人たちによって大切に祀られていたとのことです。