海上保安レポート 2004
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長官からのメッセージ

■TOPICS 海上保安の1年

■数字で見る海上保安庁
■海上保安庁の体制・業務
■特集 海の犯罪・海保の対応
■本編

・海上交通の安全のために
・人の命を救うために
・安心できる暮らしと環境を守るために
・国内外関係機関との連携・協力
・海上保安庁を支える装備等
・海上保安官になるために


●海上保安Q&A
●船艇紹介
●地方探訪
●航空機の歴史

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大たこ
▲大たこ
 尾道海上保安部(広島県尾道市)では、海上における事件・事故の緊急通報用電話番号である「118番」の周知キャンペーンの一環として、「海のもしもは118番」たこを作成しました。
 118番を幅広い世代にPRするには、子どもも大人も一緒になって遊べるたこ揚げがいいのではないかと、竹割り、骨組み、糸張りと悪戦苦闘しながら職員総出でたこを作成しました。
 作成したたこは縦2.3メートル、横1.85メートルの大たこをメインに、同じデザインの小たこ20点。「海のもしもは118」の文字に「うみまる」「うーみん」を配した力作です。市民へのお披露目として、尾道駅前のポートターミナルロビーに展示し、多くの人々の目を引くことができました。
 キャンペーン最終日には公募した一般市民40名と海上保安部職員で「たこ揚げ大会」を開催しました。心配していた雪の予報ははずれ、ちょっと風が強めの抜けるような青空になり、天気は絶好のコンディション。職員の手作りたこを参加者に配り、一斉に揚げてもらいました。ところが、このたこ、実はこの時まで実際に揚げたことがありませんでした。「もしも」に備えて海上保安部職員による「たこ修理士」を待機させ、揚がるかどうか不安の中、たこ揚げ大会は始まりました。強めの風の影響か技術不足かそれともたこのせいか、故障たこ続出で、たこ修理士はてんてこ舞い。しかし、たこは思うようには揚がってくれません。
 そこで、登場して下さったのがたこ揚げ大会参加者中最高齢、76歳の男性です。見るにみかねて(?)伝授して下さったたこ揚げの極意の数々。その極意と、たこ修理士の奮闘が実り、たこは段々揚がりだし、1月の青空を「海のもしもは118」が乱舞しました。
 尾道市の協力により会場となった運動公園には、最近たこ揚げをする機会の少なくなった子どもたちだけでなく大人たちまでもが夢中になり、自分のたこが青空に舞う姿を見て歓声をあげているのが印象的でした。帰りには今度はたこ作りも楽しんでもらおうと「海のもしもは118」たこ製作セットを参加者全員にプレゼントしました。
 このキャンペーンの効果が現れ、その後1か月の間に尾道海上保安部に寄せられた118番通報で、環境事案3件の指導、密漁事犯1件の検挙につながりました。

たこ揚げ大会
▲たこ揚げ大会