航路標識の分野においても、地球温暖化対策の一環として、環境エネルギーの利用、新技術の活用により機器の省電力化を進め、二酸化炭素排出量の削減を目指しています。
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7 交通の安全を守る
CHAPTER 5 航路標識の省エネ・エコロジー化
航路標識の分野においても、地球温暖化対策の一環として、環境エネルギーの利用、新技術の活用により機器の省電力化を進め、二酸化炭素排出量の削減を目指しています。 1 航路標識用電源のクリーンエネルギー化
災害発生時の停電等に左右されることなく安定的な運用が可能で、発電時に二酸化炭素を排出しない太陽電池を平成23年度は118か所で導入し、平成24年3月末現在で航路標識の約82%がクリーンエネルギー化されました。 2 航路標識用光源のLED化等
航路標識用光源をこれまで使用していた白熱電球等から、省エネ効果が高く視認性の良いLED(発光ダイオード)等への更新を進めており、平成23年度は120か所の航路標識で更新を行いました。 灯浮標メンテナンスに新発想 〜新型鳥よけ金物を開発〜
海上保安庁の設置している灯浮標(ブイ)は、航路標識用電源のクリーンエネルギー化の一環として、太陽電池により電力を供給しています。ところが、海上のブイは海鳥にとって格好の休憩場所となっており、海鳥が残す糞によって太陽電池パネルの表面が汚れ、発電効率が低下する被害に悩まされており、これを解決することが長年の課題でした。 舞鶴海上保安部の村井智哉航行援助官、巡視船さつまの畠中和廣機関士は八代航路標識事務所に勤務していた7年前、海鳥が飛び立つ際に糞をする性質に気がつき、当時第十管区海上保安本部交通部整備課に勤務していた中村悟監理係長と協力のうえ太い針金を山形に組み合わせ、海鳥が飛び立てないようにする金物を開発しました。 この金物をブイに設置してみると、海鳥が飛び立てなくなるどころか、海鳥が留まることもなくなりました。これによって、糞が白く積もるようなこともなくなり、太陽電池の発電効率の維持に寄与することとなりました。この金物は全管区に知られるようになり、国際航路標識協会(IALA)で標準化される動きもあります。この功績をたたえ、村井航行援助官、畠中機関士及び中村係長は平成23年、海上保安庁長官表彰を受けました。 引き続き、航路標識の省エネ・エコロジー化を進めることにより海上交通の安全確保に努めます。
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