海上保安庁は、単独では十分な対応をすることが難しい様々な問題に対処していくため、海外関係機関との連携・協力を推進します。
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8 海を繋ぐ
ChapterI 関係国との連携・協力
海上保安庁は、単独では十分な対応をすることが難しい様々な問題に対処していくため、海外関係機関との連携・協力を推進します。 各国が共通して直面している問題に対して、地域レベルで連携・協力して対処していくことは大変重要であり、海上保安庁では、各国関係機関との多国間での連携・協力を推進しています。 1 北太平洋海上保安フォーラム 海上保安庁は、日本、ロシア、韓国、カナダ、米国、中国の6か国の海上保安機関の代表が一堂に会し各国間の具体的な連携・協力について協議を行う北太平洋海上保安フォーラムに構成機関として参加しています。 同フォーラムは、長官級会合である北太平洋海上保安サミットと実務者による北太平洋海上保安専門家会合で構成されており、実践的な多目的訓練も実施されています。 平成22年8月にロシアで開催された多目的訓練には、海上保安庁は巡視船「えちご」を派遣し、各国と合同で追跡訓練、人命救助訓練、薬物船内捜索訓練等に参加しました。 平成22年9月には、カナダのバンクーバーにおいて、第11回北太平洋海上保安サミットが開催されました。ここでは、重大な海難、環境汚染、災害への対応について各国連携の必要性について討議し、新たなワーキンググループの設置へ向けた検討を行うことで合意しました。さらに、これまで同フォーラムが果たしてきた役割を評価し、今後も連携・協力していくことを謳った「バンクーバー宣言」を採択しました。 2 アジア海上保安機関長官級会合
アジア海上保安機関長官級会合は、海賊・海上武装強盗事案の多発、厳しいテロ情勢及び国境を越える犯罪の増加等を踏まえ、アジアの海上保安機関の長官級が一堂に会し、海上保安行政に関する地域的な連携強化を図ることを目的として、海上保安庁の提唱により、平成16年から開催されているものです。平成22年10月には、中国上海において第6回長官級会合が開催されました。会合においては、これまで海賊・海上武装強盗等に限られていた議題範囲を、次回から海上保安業務全般に拡大することで合意しました。 二国間で共通する問題については、両国でその問題解決に向けて連携していくことが重要です。海上保安庁では、多国間連携に加え、二国間での連携・協力関係の構築にも積極的に取り組んでいます。 1 日韓海上保安当局間長官級協議
海上保安庁と韓国海洋警察庁は、海域を接する両国間の海上における秩序維持を目的として、共通する幅広い分野で相互協力を推進しています。 そのため、平成11年から毎年1回、日韓海上保安当局間長官級協議を開催するとともに、現場レベルを含む各レベルでの会合や連携訓練を実施しています。 平成22年5月には、東京において第12回協議が行われ、更なる人的交流と協力関係の促進について引き続き検討を進めていくことで合意しました。 2 日露海上警備機関長官級会合
海上保安庁とロシア連邦保安庁国境警備局は、平成12年に締結した覚書に基づき、これまで長官級会合や合同訓練等を実施してきました。 平成22年7月には、ロシアのモスクワにおいて両機関の長官会合を実施し、今後は薬物の密輸、イラン人等の密航、水産物の密輸等の分野で連携を深めていくことを確認しました。 3 日印海上保安機関長官級会合 海上保安庁とインド沿岸警備隊は、平成12年以降、定期的に長官級会合や連携訓練を実施しており、平成22年は11月に東京で長官級会合を開催しました。海賊対策やセキュリティー対策強化等の幅広い分野で意見交換が行われ、海上保安庁が実施する研修へのインド沿岸警備隊職員の参加や、流出油鑑定の分野におけるさらなる協力等が合意されました。また、12月には神戸で第五管区海上保安本部とインド沿岸警備隊による海賊対処等の連携訓練が行われました。また、同訓練では、海上保安庁からも職員が派遣されているReCAAP(アジア海賊対策地域協力協定)の枠組みを活用した情報共有訓練も実施されました。
日韓合同SAR訓練を実施!
平成22年10月28日、第八管区海上保安本部と韓国・東海地方海洋警察庁は、日韓合同SAR(Search and Rescue : 捜索救助)訓練を行いました。 今回の訓練では、浜田市沖での海難発生情報を入手した舞鶴RCC(Rescue Coordination Center)が韓国の東海RCCに情報提供し、巡視船「だいせん」と韓国の警備救難艦「5001」等が合同で捜索救助にあたりました。 海上保安庁ではこれまでにもロシア等の関係国と合同でSAR訓練を実施してきました。今後も人命救助のために、国際連携を深めていきます。
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