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2. アジア諸国との連携・協力
アジア海上保安機関長官級会合
平成16年6月、海上保安庁の呼びかけにより、第1回アジア海上保安機関長官級会合が東京にて開催されました。
本会合は、平成12年に東京で開催された「
海賊対策国際会議」を契機に継続してきた
海賊対策と、米国同時多発テロ以降高まりをみせているテロ対策について主に議論しています。平成19年10月にシンガポールで開催された第3回会合には、日本、中国、韓国、インド、ASEAN諸国など18の国と地域が参加しました。
今回の会合では、アジア地域における海上保安機関のキャパシティ・ビルディングについて最優先で議論すること、実務者間の検討を促進することについて、当庁から共同宣言の提案を行い、満場一致で採択されました。
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▲アジア海上保安機関長官級会合 |
アジア地域等の海上保安機関職員の育成
平成19年度はアジア地域を対象にしたセミナーが多く行われ、海上保安分野での能力向上、人材育成に努めました。
平成19年7月に、海洋政策研究財団の協力を得て「東南アジアにおける海上セキュリティ・
海賊対策セミナー」を実施し、日本、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの6か国が参加しました。
平成19年10月には、
JICAの協力を得て「東アジア地域海上犯罪取締り研修」を実施しました。インドネシア、マレーシア、フィリピン等8か国が参加し、
海賊、密輸・密航などの海上犯罪の取締りの知識・技能の向上を図りました。
平成20年2月には、アラビア海沿岸のインド、パキスタン、オマーンの3か国と日本が参加し、「アラビア海沿岸域における海上セキュリティ対策セミナー」を開催しました。アラビア海のセキュリティの現状と対策について意見交換を行ったほか、海上法執行機関の役割の確認などを行いました。
このほか、平成19年12月にはインドネシア、同年12月と同20年1月にはマレーシアでもキャパシティ・ビルディングを目的としたセミナーを開催しました。
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▲連携机上訓練 |
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▲連携訓練 |
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▲日本・フィリピン・インドネシア3国合同訓練 |
東南アジアへの巡視船等の派遣
東南アジア各国との
海賊・海上テロ・薬物対策に関する相互連携協力の推進・強化策の一環として、6月に巡視船「みずほ」をフィリピン、インドネシアに、11月には巡視船「しきしま」をマレーシア、ジェット飛行機「ガルフV」をタイにそれぞれ派遣し、
公海上におけるしょう戒のほか、連携訓練、意見交換等を行いました。
フィリピン沿岸警備隊
1967年に海軍の一機関として設立され、1998年に運輸省に移管されました。
地方に8つの管区本部と数多くの分室を置き、水路業務を除いて海上保安庁とほぼ同様の業務を行っています。
マレーシア海上法令執行庁
海上警察、税関、漁業局等、複数の機関にまたがる海上における取締り業務について、その業務遂行面における効率性、有効性を向上させる必要から、これら機関を一つにまとめた新たな組織として2005年に設置されました。首相府に所属する文民組織であり、海上における法令の励行、捜索救助等を任務としています。
海上保安庁では、海上法令執行庁に長期専門家として職員を派遣し、同庁に対し海上における法執行機関として任務を遂行するのに必要な能力向上のための指導・助言を行っています。
フィリピン海上保安人材育成プロジェクト
フィリピン沿岸警備隊(PCG)の能力向上、教育の充実などを目的に、
JICAとの協力の下、平成14年7月に始まった本プロジェクトは、平成19年6月をもって終了しました。この5年間で、法令励行、海難捜索救助、航行安全、海洋環境保全の各分野における専門家を派遣するなどして2,000人を超えるPCG職員に研修を行ったほか、専門分野における教官約70人を養成しました。
また、平成20年1月からは「フィリピン海上保安教育・人材育成管理システム開発プロジェクト」としてPCGへの人材育成支援は第二段階に入り、益々の成果が期待されます。
インドネシア海事保安調整会議の体制強化プロジェクト
インドネシアでは、海上保安庁が派遣した専門家等を通じ、海難救助、海上防災及び航路標識業務等海上保安に関する様々な分野で支援を行ってきました。
これに加えて、平成20年5月から、インドネシア海事保安調整会議の体制強化プロジェクトが開始される予定となっており、
海賊対策等の海上法執行を中心とした更なる支援を行うこととしています。
インドネシア海上保安調整会議
インドネシア国内で分散している海上保安業務の調整を行うことを目的として、2005年に設立され、2006年12月から本格的に活動を開始しました。
海上治安調整チーム(大臣級)の下、事務総長を中心に海上治安分野の政策決定や活動を一体となって行っています。