平成19年の海上環境関係法令違反に係る送致件数は652件と3年連続で600件台を推移しています。送致件数を法令別にみると、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」(以下「海防法」という。)違反が448件(約69%)、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」違反が115件(約18%)と海上環境関係法令違反の8割強を占めています。
違反の態様は、船舶からの不法排出事犯が181件と海防法違反全体の約4割を占め、そのうち約8割が油の排出によるものです。そのほか、廃船等の不法投棄が海防法全体の約4割と続いています。
海上保安庁が確認している廃船については1,372隻であり、前年に比べ118隻増加しました。このうち処理された船舶は、全体の約56%に当たる770隻、未処理の船舶は602隻となっています。なお、投棄船舶(廃船)1,372隻のうち738隻に「廃船指導票」貼付による指導を行い、このうち320隻が処理されました。
また、平成19年に我が国周辺海域における海洋汚染確認件数477件のうち、外国船舶によるものは40件(前年比16件減)であり、うち38件は油によるものでした。これら外国船舶の海洋汚染への対応として、「海防法」に基づき、15件に対してボンド制度(担保金制度)を適用し、7件に対して旗国通報を行いました。
この他、国民の健康と快適な生活環境を守るため海上環境事犯の撲滅に向けて、地方自治体、警察等関係機関との連携を一層強化したほか、巡視船艇・航空機による夜間の監視取締りを強化しました。