海上保安レポート 2006

●はじめに


■TOPICS 海上保安の一年


■特集1 国際展開する海上保安庁

■特集2 刷新図る海保の勢力


海上保安庁の業務・体制


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える


海保のサポーター


海上保安官を目指す!


語句説明・索引


図表索引


資料編


本編 > 治安の確保 > 3 テロ対策
3 テロ対策

目 標
 世界では依然としてテロ事件が多発しています。幸いにして我が国で発生していないものの、予断を許さない状況であり、国民の安全な生活を脅かす喫緊の問題です。
 このため政府では、「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」(本部長:内閣官房長官)において、「テロの未然防止に関する行動計画」を策定し、諸対策を推進しています。海上保安庁も政府の一員として、海上におけるテロの未然防止及び海上における公共の安全確保と秩序維持に万全を期すため、テロ未然防止のための警備を実施するほか、テロ関連情報の収集体制の強化や、警察、入管、税関、港湾管理者などの関係機関や港湾の民間事業者と連携して、水際での間隙のない体制の構築・強化に努めています。
平成17年の現況
 海上保安庁では、以下の諸対策を実施し、我が国におけるテロの未然防止の一翼を担っています。

 ○テロ関連情報の収集、収集した情報の的確な分析・評価

 ○港湾・航路付近における監視・警戒の徹底

 ○東南アジア周辺海域での巡視船・航空機によるしょう戒の実施

旅客船への警乗
▲旅客船への警乗
 ○ゴールデンウィーク等の繁忙期における旅客船への警乗の実施

 ○関係機関、関係国とのテロ対策合同訓練等の実施

 ○注意を要する船舶への立入検査・監視の徹底

 ○臨海部の原子力発電所、石油備蓄基地、米軍施設などの重要施設等における巡視船艇・航空機等による警戒の実施

 ○原子力発電所における警察と毎日の情報交換及び共同訓練の実施

 ○事業者に対する自主警備強化の要請、不審情報の提供依頼

 ○「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際船舶・港湾保安法)」に基づく入港規制

 ○国際港湾における港湾危機管理(担当)官を中心とした危機管理の調整業務の実施、関係機関等との間隙のない水際対策や連携強化の構築

 ※テロ等による港湾機能の損失等が特に甚大であると想定される五大港(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸)に保安体制の強化及びテロ事案発生時の迅速かつ的確な対応の強化を図るため、港湾危機管理対策官を配置
 ※原子力発電所における海上警備を適切かつ効率的に実施するため、上越海上保安署(新潟県)に原子力発電所警備対策官を配置
今後の取組み
米国コーストガードとの訓練
▲米国コーストガードとの訓練
 海上保安庁では、全国に配置した警備実施等強化巡視船をはじめとする勢力により各種訓練等を行い、さらなる対処能力の向上に努めるとともに、船舶に対するハイジャックなど高度な知識・技能を必要とする事案に対しては、特別な訓練や研修を受けたテロ対処部隊を投入するなど、テロ対策に万全を期していきます。
 さらに、今後とも国内外のテロ情勢に応じたテロ対策の見直しや現場要員の確保を推進し、関係機関と緊密な連携を図りながら我が国の人命・財産を守りテロの未然防止に万全を尽くしていきます。