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海上保安学校学生が高倉神社の大祭に参加
海上保安学校(京都府舞鶴市)の学生教育は、規律正しい団体生活の中で、社会人としてのモラル、組織人としての協調精神などの人格形成にも力を置いています。学生は、地元舞鶴での催しにも積極的に参加し、住民との交流・親睦が図られています。
“地域の守り神”である地元「高倉神社」の秋の大祭にも、毎年、多くの学生が参加し神輿を担ぎます。この伝統ある大祭は、昨年も10月17日の日曜日に行われました。
青空が広がるすがすがしい朝でした。85名(うち女子10名)の学生は、寮内でハッピ、足袋に着替えました。彼等が袖を通す衣装の背中には、稲束をくわえた神輿の鳳凰が描かれています。無病息災の願いが込められたものです。学生たちは午前7時30分の始まりにあわせ、徒歩で神社に向かいました。
「ワッショイ!ワッショイ!お神輿、ワッショイ!!」
高倉太鼓を先導に、女神輿、男神輿の順でスタート。女子学生も男子学生に負けないくらいの大声を張り上げ元気に出発しました。
行程は、中舞鶴地区31地区の町内会を巡る約14km。昼食を挟みおよそ8時間にわたって練り歩きます。テンポのいい祭ばやしのリズムにあわせ、総重量1.5トンもある本神輿(男神輿)を担ぎます。その大半が海上保安学校の学生です。ヨイサー!ヨイサー!の掛け声が町内に響き渡り、ある時はゆっくりと、ある時は早く、勇ましく、そして優雅に、軽やかに、重々しくと千変万化します。
さすがの学生も終盤は疲れ気味。沿道の住民から「もう少しの辛抱だから、頑張れ!」との声援が飛び、学生を鼓舞する様子も見受けられました。地域住民と学生が一体となってこの伝統行事を盛り立てていこうとする気概が感じられます。
夕刻、神輿は無事に神社に戻ってきました。学生たちは、何より地元住民との交流の深まりを感じ取れたことが嬉しかったようです。
10月に入学した学生にとっては、入校後初めての地域交流。ある学生は、「神輿を担ぐのは初めての体験でしたが、皆さんから大変感謝されて嬉しかった。」と照れくさそうに答えました。
海上保安学校の学生は、卒業後、全国各地の海上保安部署の巡視船艇など現場の第一線で、現場業務の中核として活躍することが期待されています。学術や技能の習得はもちろんのこと、こうした行事を通じ、互いに信頼関係を深め、社会人としての自覚や責任を認識し、たくましく成長してほしいものです。
▲神輿を担ぐ学生たち
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