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様々な海上保安官
会社には社長、学校には校長がいるように、船には「船長」がいます。そして、船長には、海上という特殊な環境において、人命、船舶、積荷の安全を図らなければならないことから、厳格な義務と強力な権限が与えられています。
整備士といえば、航空機の整備を行うので、飛行士に比べ縁の下の力持ちといったイメージを抱かれるかもしれません。「(2)機長」のところでも触れましたが、海上保安庁の航空機は、気象・海象が劣悪な状況下で業務を行うこともあるため、機体の整備にも細心の注意を払っており、整備士の重要な業務の一つであると言えます。しかし、海上保安庁の整備士の仕事は、それだけではありません。海難が発生した場合、整備士は必要に応じてヘリコプターに乗り込み、飛行中は機体の状況をチェックします。そして、海難現場に到着すると今度はホイストマンとしてホイストによりけが人や病人を船舶等から吊り上げ救助する作業を行ったり、自らが船舶等に降下する場合もあります。
機動防除隊は、平成7年4月に油防除の専門的知識を有するチームとして発足しました。当初は2隊8名の編成でしたが、平成9年に発生した「ナホトカ号海難・流出油災害*2」「ダイヤモンド グレース号底触・油流出事故*3」を契機に増強され、現在は機動防除基地長以下12名3隊の編成のスペシャルチームとして全国各地で発生する海上災害に備えています。
大陸棚調査官は、我が国の大陸棚に関するデータを収集・解析することが仕事です。最新の各種観測機器を装備した2隻の大型測量船を用いて、長期間にわたり調査を行います。良いデータを得るためには、最新の海洋科学や調査技術に関する専門知識が不可欠です。そして、得られたデータの解析結果を国際会議において発表するときなどは、「世界の最先端で仕事をしているんだ」と実感することができます。一方で、政府が一丸となって取り組んでいる「大陸棚の限界画定のための調査」を着実に実施するために、関係省庁との綿密な調整を行うなど、多方面で活躍しています。
運用管制官は、海上交通センター*1に勤務し、航海の安全に役立つ情報の提供や海上交通安全法等に基づく航行管制を、24時間体制で行っています。具体的には、VHF通信を通じて航行制限の状況、海難状況、巨大船等の航行状況、操業漁船の状況、気象状況、工事作業の情報、自船の船位、他船の動向等の情報を必要に応じて提供しています。衝突の危険性がある場合などは、船舶を個別に呼び出し、直接注意を促します。また、巨船等から航路入航予定時刻等の通報を受け、航路にスムーズに入航できるように管制計画を作成し、入航順序、入航時刻の調整を行うとともに、霧等による視界不良 時には、船舶の航路入航制限等を行っています。 |