我が国における海図の歴史は、明治4年に明治政府が海図の作製に取りかかり、翌年に岩手県釜石港の「陸中國釜石港之圖(りくちゅうのくにかまいしこうのず)」を発行してはじまりました。150年が経った令和3年8月、海上保安庁は新しい仕様による紙海図の第一号を発行しました。
我が国の海図は国際仕様に基づいて作製していますが、発行の経緯などから国際仕様の範囲内で彩色等が異なる日本語版・英語版の2つのシリーズがあります。今後は新しい仕様による海図シリーズにより、これらの統一を計っていく方針です。
新しいシリーズには、日本が作製したことを示すため海図番号にJPNを付けました。
このシリーズの第一号が、JPN1「日本及近海」です。我が国全体を俯瞰する図とし、番号を1番としました。
JPN1では英語・ローマ字を主として日本語を併記し、日本語を解しないユーザーにも配慮しています。海上の安全確保、海洋権益の確保、海洋資源の開発・利用といった様々な目的のために150年にわたって行ってきた海洋調査の成果や、海底地形名、領海の基線と限界線等も記載しています。彩色の数を増やすことで、従来よりも見やすい海図にしました。
今後は、現行の海図を新しいシリーズに移行していく予定です。