日本は、広大な領海と排他的経済水域を有する、世界屈指の海洋国家であり、貿易、漁業、マリンレジャーなど多くの分野で「海」からの恩恵を受けています。他方、国民生活を脅かすテロや密輸・密航、漁業秩序を乱す密漁、人命や財産のみならず、海洋環境や経済活動にも影響を与える海難など、様々な事案が起こる場所でもあります。
海上保安庁は、この広大な海の安全と治安の確保を図るため、昭和23年の創設以来、脈々と受け継がれている「正義仁愛」の精神のもと、あらゆる業務を遂行しています。
さて、今回の「海上保安レポート2022」では、「守り抜く、日本の海。」と題した特集を組みました。この特集では、日本の周辺海域で、今まさに起こっている事案や、これらの脅威から日本の海や国民の命を守るため、日夜奮闘している、全国各地の巡視船艇・航空機や海上保安官を紹介するものとなっています。
近年、日本を取り巻く安全保障環境の様々な変化によって、周辺海域を巡る情勢は一層厳しさを増しておりますが、引き続き、海上保安庁全職員が一丸となり、海洋国家である日本の安寧、国民の安全・安心に貢献するべく、任務を全うしてまいります。
本書をお読みになり、海上保安庁に対するご理解が少しでも深まれば幸いです。
令和4年5月