管制課程第1期生を運用管制官に認定
東京湾海上交通センター・大阪湾海上交通センター
平成30年に新設された海上保安学校管制課程の第1期生が、2年間の専門教育を経て、令和2年3月末に現場へ配属されました。
全国に7か所ある海上交通センターの中で、最大規模となる東京湾海上交通センターには8名が着任、運用管制官の認定を受けるために約2か月にわたり実務研修に励みました。
運用管制官は、船舶が安全に航行することができるよう、無線通信で周囲の船舶の動静など様々な情報を提供します。情報提供は日本船舶だけでなく、外国船舶にも行うことから、英語を駆使してコミュニケーションを取る場面も多くなります。
また、世界有数のふくそう海域である東京湾には、2つの大きな航路と、東京や横浜など大きな港へ出入する航路が設定されており、それぞれの異なる交通方法や地域特性などの知識や管制手法などの技能が必要となります。
先輩運用管制官の熱心な指導の下、研修を修了した8名は、国際基準に基づく運用管制官の認定審査に合格し、運用管制官の証であるマーメイドのき章を受け取りました。
また、第1期卒業生の内、2名の女性運用管制官が令和2年3月末に大阪湾海上交通センターへ配属されました。
明石海峡は、大阪湾と播磨灘を結ぶ海上交通の要衝であり、潮流が最大7ノット強(時速約13km)と早く、古くから鯛、たこ、イカナゴに代表される好漁場、1日約600隻の大小様々な船舶が輻輳していることから、海上交通の安全を確保する上で特に注意を要する海域となっています。
配属された女性運用管制官2名は着任から約3か月間、先輩運用管制官の指導のもと、運用管制官としての実務を経験しながら、海上衝突予防法、海上交通安全法、運用管制官業務実施要領等を復習、理解し、さらには天気図での気象海象予察、眼下を通過する巨大船等の船型に応じた運動性能特性を学習しながら運用者認定審査に向け研鑽を続けてきました。
運用者認定審査後、両名からの「質問には全て答えることができました。」と自信たっぷりの答えのとおり、見事に合格し、運用管制業務を行うことができるVTS運用者認定を受けました。
彼女たちからは、「現場赴任し、新しい環境下で認定審査に向けて訓練に励み無事合格することができてとても嬉しかったです。先輩運用管制官の方々のように頼れる運用管制官を目指して頑張ります。」と喜びのコメントがありました。
彼女達が一人前の運用管制官の先陣として大阪マーチスを牽引し、益々飛躍することを期待しています。