令和2年9月2日、奄美大島西方海上において、パナマ籍貨物船「GULF LIVESTOCK」1（総トン数11,947トン、長さ134メートル、乗員43名）から発信されたと思われる遭難信号を受信、直ちに巡視船及び航空機を発動しました。

台風9号及び10号の通過による影響で、一時波高5メートルを超えるなど大時化の状況下での捜索活動となり困難を極めましたが、懸命な捜索活動の結果、自衛隊との連携により1名を救助するとともに、沿岸住民の方からの「オレンジ色の何かが浮かんでいる」との「118番」通報により発見した救命いかだの中から、更に1名の生存者を救助することができました。沿岸住民の方の「目」がいかに大切かを再認識する出来事でもありました。

乗組員が全員外国籍だったこともあり、日本だけではなく世界各地からの情報提供依頼が絶えず、乗組員のご家族から大使館を通じ捜索に関するお礼のメッセージが届くなど、海上保安庁が世界中の国々と繋がった出来事となり、首脳会談でも取り上げられるなど大きな反響を呼びました。

発見時の救命いかだ

救助の様子