海上保安レポート 2018

はじめに


海上保安制度創設70周年記念特集
海洋の安全・秩序をつなぐ〜70年の礎とともに〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 領海・EEZを守る

2 治安の確保

3 生命を救う

4 青い海を守る

5 災害に備える

6 海を知る

7 海の安全を創る

8 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

1 領海・EEZを守る > Column Vol.05 クルーズ船寄港数日本一の博多港の安心・安全のために!
1 領海・EEZを守る
Column Vol.05
クルーズ船寄港数日本一の博多港の安心・安全のために!
七管区・福岡海上保安部

博多港(福岡県福岡市)へのクルーズ船寄港隻数は3年連続日本一で、1日最大3隻ものクルーズ船が寄港することもあり、地元に大きな経済効果をもたらしています。

一方、入出港に不慣れな外国クルーズ船の急増は、海難事故の発生リスクも高めることから、福岡海上保安部では、外国クルーズ船との実働訓練が実施できないか、年度当初から検討を始めました。

ひとたびクルーズ船の事故が発生し、数千人規模の乗客乗員を救助しなければならない事態となれば、海保や消防だけでは対応できず、博多港の官民関係者が総出で対応することが必要となります。

そのため関係者には、いつ事故が発生しても不思議ではないという危機感と当事者意識を持って訓練に参加してもらう必要があり、そのことが大きな課題となりました。

そんな矢先の4月下旬、博多港内でスクラップ船の火災・沈没・油流出事故が発生し、マスコミが大きく報道、地元では大きな反響を呼んだことで、船舶事故に対する港湾管理者をはじめとする関係者の危機感が著しく高まった結果、「○○といった訓練も追加できませんか?」、「参加船艇に加えてもらえませんか?」といった積極的な意見が聞かれるようになり、関係者の危機感の高まりを肌で感じることができました。

そして、平成29年9月、災害医療派遣チーム(DMAT)を含む博多港の官民関係者10機関の協力を得て、当港に寄港した外国クルーズ船との間で事故対応訓練を実施、各機関の危機意識の共有と連携の確認をすることができました。この熱を冷まさないよう、今後も継続して訓練を実施し、博多港の安全・安心を守っていきます。


ヘリコプターによる吊り上げ救助
ヘリコプターによる吊り上げ救助
負傷者の搬送
負傷者の搬送