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1 領海・EEZを守る
CHAPTER I. 尖閣諸島周辺海域における領海警備
尖閣諸島周辺海域では、平成24年9月以降、中国公船が荒天の日等を除きほぼ毎日接続水域を航行しており、領海侵入する事案も発生しています。
また、平成28年8月には、多数の中国漁船が尖閣諸島周辺の接続水域内で操業する中、中国漁船に引き続く形で中国公船が我が国領海への侵入を繰り返す事案が発生したほか、中国公船の大型化・武装化・増強も確認されており、尖閣諸島をめぐる状況はいっそう厳しさを増しています。
このような厳しい状況の中でも、海上保安庁は、領土・領海を断固として守り抜くとの方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然とした態度で対応しております。
平成29年度の現況
1 中国公船による接続水域入域・領海侵入
近年、尖閣諸島周辺海域では、中国公船の領海侵入が繰り返されています。平成29年においても、平成28年に比べて大きな変化はなく、荒天の日等を除きほぼ毎日、接続水域を航行している状況であり、依然として緊迫した情勢が続いています。
2 外国漁船の活動状況
尖閣諸島周辺海域では、外国漁船による活動も続いています。平成29年の領海からの退去警告隻数は、中国漁船については10隻となっており、昨年に比べ減少していますが、台湾漁船については96隻と昨年に比べて増加しています。同海域には多数の外国漁船が存在しており、引き続き警戒していく必要があります。
3 海上保安庁の対応
海上保安庁では、現下の情勢をふまえ、第十一管区海上保安本部所属の巡視船艇・航空機をはじめ、必要に応じ全国からの応援派遣により必要な勢力を確保し、中国公船に対して領海に侵入しないよう警告するとともに、警告にも関わらず領海に侵入した場合には、退去要求や進路規制を行い、領海外に退去させています。
さらには、外国漁船や領有権に関する独自の主張を行う活動家船舶等に対しても、我が国の領土・領海を断固として守り抜くという方針の下、法執行機関として、国際法や国内法に基づき、冷静に、かつ、毅然とした態度で対応しています。
現場の声
宮古島海上保安部 巡視船「しもじ」 航海士補
私は宮古島海上保安部所属の規制能力強化型巡視船「しもじ」に勤務しています。
この船は、接舷用防舷物、遠隔監視採証装置、遠隔放水銃等を装備しており、主な業務は尖閣諸島周辺海域における領海警備や宮古島等の周辺海域における外国漁船の取締りです。
本船での私の役割は操船や見張りを行いながら、外国漁船による違法操業を監視することで、これを認めた際には現行犯逮捕を前提に外国漁船へ接舷することとなるため、日々訓練を行っています。
接舷・移乗訓練はとても神経を使いますが安全に実行できた時には大きな達成感があります。
本船は、小型の巡視船であり、限られた人数で業務を行うため、若手の私に与えられる役割も大きいことから、やりがいを感じています。
実働に備え、これからも持ち前のど根性で日々の訓練に励んでいきます。
現場の声
石垣海上保安部 巡視船「あぐに」 主任航海士
私は石垣海上保安部所属の尖閣領海警備専従船「あぐに」に勤務しています。
この船は、尖閣諸島領海内における外国船舶の無害でない通航や不法行為の監視取締り等を主な任務としています。
尖閣海域は我が国の領海警備の一丁目一番地であり、国内外を問わず注目されている海域です。
私達が行う領海警備業務は、例えば、外国人活動家が乗った船舶の目前まで接近して警備実施を行うこともあるため、対応を誤れば外交問題に繋がるかもしれないという緊張感があります。
しかし、我が国の領土、領海を断固として守るという方針の下、事態をエスカレートさせることなく、冷静かつ毅然として任務を完遂すべく、石垣島の暑さに負けない熱意を持って、日々訓練に励んでいます。
尖閣諸島の概要
尖閣諸島の位置関係
尖閣諸島は、南西諸島西端に位置する魚釣島(うおつりしま)、北小島(きたこじま)、南小島(みなみこじま)、久場島(くばしま)、大正島(たいしょうとう)、沖ノ北岩(おきのきたいわ)、沖ノ南岩(おきのみなみいわ)、飛瀬(とびせ)等からなる島々の総称です。
尖閣諸島周辺の領海の面積は約4,740平方kmで、東京都と神奈川県の面積の合計(約4,605平方km)とほぼ同じ広さです。また、尖閣諸島周辺の領海・接続水域を四国と重ね合わせると、その広さや形がよく似ています。海上保安庁では、この広大な海域で、昼夜を分かたず、巡視船艇・航空機により領海警備を実施しています。
日本政府の基本的立場
尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しません。(外務省HPから抜粋)
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