海上保安レポート 2017

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 平和な海の継承〜海上保安庁の使命〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の 任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

6 交通の安全を守る > CHAPTER IV 航行の安全のための航路標識と情報提供
6 交通の安全を守る
CHAPTER IV 航行の安全のための航路標識と情報提供

海上保安庁では、船舶交通の安全と運航能率の向上を図るため、灯台をはじめとする各種航路標識を設置し管理しているほか、様々な手段を用いて、航海の安全に必要な情報を迅速かつ確実に提供し、船舶事故の未然防止に努めています。

平成28年の現況
1 航路標識法の改正

平成28年5月18日に公布された海上交通安全法等の一部を改正する法律により、航路標識法が改正され、

  1. 航路標識の設置に係る許可基準の明確化

  2. 航路標識の設置に係る届出制の導入

等の措置が講じられました。

  1. 航路標識の設置に係る許可基準の明確化については、申請書の記載事項、許可基準、許可の取消し及び許可を受けた者の地位の承継等に関する規定を整備したものです。

  2. 航路標識の設置に係る届出制の導入については、海上保安庁以外の者が灯光、音響又は電波以外の手段により船舶の指標とするための航路標識を設置しようとするときは、海上保安庁長官の許可を受けることを要せず、届出で足りるとするものです。

これらに関する改正法は平成29年4月1日から施行され、これに合わせ、海上保安庁では、詳細事項を定める省令・告示の整備を行いました。


航路標識の設置に係る届出制の導入(規制の緩和)
航路標識の設置に係る届出制の導入(規制の緩和)

2 水路図誌、水路通報、航行警報

水路図誌

海上保安庁では、水深や浅瀬、航路の状況といった航海の安全に不可欠な情報を、海図等の水路図誌として提供しています。


水路通報

航路標識の変更、地形及び水深の変化等、水路図誌を最新に維持するための情報や、船舶交通の安全のために必要な情報を水路通報としてインターネット等で提供しています。平成28年は約25,800件を提供しました。


航行警報

航路障害物の存在等船舶の安全な航海のために緊急に周知が必要な情報を衛星通信、無線放送、インターネット等により航行船舶に対し提供しています。

また、利用者が視覚的に容易に把握することができるよう、警報区域等を地図上に表示したビジュアル情報をインターネットで提供しています。


水路通報・航行警報の概念図
水路通報・航行警報の概念図

航行安全情報の種類と提供範囲
航行安全情報の種類と提供範囲
今後の取組み

引き続き、海難の未然防止のため、海の安全情報AISを活用し、航海の安全に必要な情報を迅速かつ的確に提供していきます。

知っていますか? 参観灯台

海上保安庁が管理している灯台の一部には、航路標識事業に対する国民への理解と知識の普及を図ることを目的として、一年を通じて一般に公開しているものがあります。参観灯台と呼ばれるこのような灯台は全国に15基あり、中には映画ゆかりの灯台もあります。資料館が併設されている灯台もありますので、近くにお出かけの際は、是非足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

詳細はhttp://www.kaiho.mlit.go.jp/soshiki/koutsuu/toudai/kengaku.htmlをご覧ください。

参観灯台