Column Vol.06
60メートル潜水への挑戦
第三管区海上保安本部
60メートル潜水への挑戦
第三管区海上保安本部
海上保安庁の潜水士は、通常、空気(ガス分圧:酸素約21%、窒素約78%、その他約1%)を充填したボンベを使用して水深約40メートルまでの潜水作業を行っていますが、特殊救難隊では、平成27年11月から海上保安庁で唯一、水深60メートルまでの潜水作業を行うことができるようになりました。
水深40メートルより深く潜り、作業を行う場合には、トライミックスガスと呼ばれる混合ガス(ガス分圧:酸素20%、窒素40%、ヘリウム40%)を使用します。空気ではなく、混合ガスを用いることで、窒素酔い(水深35メートルを超える潜水作業中に、呼吸ガスに含まれる窒素の影響で、思考能力の低下や精神の高揚等、酒に酔ったような状態になること)を抑えるほか、潜水作業後の疲労感を軽減できるので、安全かつ効率の良い潜水作業が可能となります。
特殊救難隊では、全国で発生する海難事故に備えつつ、混合ガスを使用した潜水作業の錬度を上げるため、隊員を各地に派遣して、巡視船艇と連携した訓練を重ねています。
平成28年12月、島根県美保関沖における漁船の転覆海難事故の際は、特殊救難隊14名を派遣し、八管区の潜水士とともに、沈没した漁船の船内や水深40メートルを超える海底の潜水捜索を行いました。
潜水支援の状況 |
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