海上保安レポート 2017

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 平和な海の継承〜海上保安庁の使命〜


海上保安官の仕事


海上保安庁の 任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

2 生命を救う > CHAPTER I 海難救助の現況
2 生命を救う
CHAPTER I 海難救助の現況

平成28年の事故船舶2,014隻のうち、要救助船舶は1,690隻でした。要救助船舶の中で、自力入港した302隻を除いた1,388隻のうち1,240隻が救助されました。

海上保安庁では、これらの船舶事故に対し、巡視船艇延べ1,910隻、航空機延べ322機を出動させ、1,239隻に対して救助活動を行いました。

また、平成28年の船舶事故以外の乗船中事故者は927人で、海浜事故の事故者は1,733人でした。事故者の中で、自殺や自力救助した902人を除いた1,758人のうち、1,003人が救助されました。

海上保安庁では、これらの事故に対しても、巡視船艇延べ1,353隻、航空機延べ531機を出動させ、1,251人に対して救助活動を行いました。

平成28年の事故船舶2,014隻のうち、緊急通報用電話番号「118番」による通報(第一報)を行った船舶は1,028隻であり、このうち818隻が携帯電話からの通報でした。

平成28年の船舶事故以外の乗船中の事故者及び海浜事故者数2,660人のうち、緊急通報用電話番号「118番」による通報(第一報)を行った者は760人おり、このうち365人が携帯電話からの通報でした。

厳しい気象条件での岩場孤立者の救助!

平成28年12月18日午前6時頃、釣り人が陸岸に戻れなくなったとして、118番通報がありました。海上保安庁では、ヘリコプターに機動救難士を同乗のうえ、現場に急行させました。

釣り人は、大人2人がようやく立てるような小さな岩に孤立していました。岩の周囲には波が終始打ち寄せ、上空では風速15m以上の風が吹きヘリコプターの姿勢が安定しない状況でしたが、直ちに岩に機動救難士1名を降下させ、釣り人を海水に濡らすことなく、短時間で無事ヘリコプターに吊り上げ、救助しました。

このように、あらゆる厳しい気象条件や現場状況においても、迅速かつ的確な救助を行うため、海上保安庁では、日々訓練を重ねています。


吊上げ救助を行う機動救難士
吊上げ救助を行う機動救難士
救助に向かう機動救難士
救助に向かう機動救難士