COLUMN Vol.10
関門海峡で訓練用シミュレーターを活用した訓練〜「関門海峡での海難ゼロ!」を合言葉に〜
第七管区海上保安本部
関門海峡で訓練用シミュレーターを活用した訓練〜「関門海峡での海難ゼロ!」を合言葉に〜
第七管区海上保安本部
▲航路管制訓練 |
近年、海事関係者の間では、人的要因による船舶海難を防止するため、操船シミュレーターを使った模擬船橋に、海難原因となる様々な状況を設定し、乗組員のチームワーク、情報の共有、対処能力の維持向上等を図るための訓練が実施されています。
関門海峡における海上交通の安全を確保するため通航船舶に情報提供を実施している関門海峡海上交通センターでも、管制シミュレーターを使った訓練を企画し、平成24年5月、他の海上交通センターに先がけて実施しています。
この訓練は、実際の管制卓と同様に、関門航路を分割して、それらの海域を担当する訓練用シミュレーターに訓練を行う運用管制官を割り当て、交通ルールに違反して航行する船舶やエンジン故障船等の疑似船を発生させ、通航船舶役の職員に対し、安全に航行するための情報を無線で提供する訓練です。
第1回訓練では、船舶が多数航行する模擬関門航路内に突如エンジン故障船が発生する想定で、故障船への対応、付近航行船舶に対する回避方法や二次海難を避けるための情報提供等が、運用管制官同士の連携も含め、適切に行われているかを確認しました。
今回の訓練は初歩的なものでしたが、今後も訓練を重ね、運用管制官の能力のレベルアップを図っていくこととしています。
訓練に参加した職員は、訓練開始前に海上交通センター所長から訓示された「訓練は本番の如く大胆に、本番は訓練の如く冷静沈着に。訓練でできないことは本番でも絶対できない。」との言葉を思い浮かべながら、新人、ベテランとも本番さながらに取り組みました。
センター職員一同、この訓練を通じ関門海峡で想定される様々な事案への更なる対処能力の向上を図り、「関門海峡での海難ゼロ!」を目指します。