海上保安レポート 2010

はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

CHAPTER1 事故災害対策
 Column Vol.07 スクラップ積載船舶火災の謎に迫る!
CHAPTER2 自然災害対策
 Column Vol.08 回覧板で地域住民に情報発信

海を識る

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


05 災害に備える > Column Vol.07 スクラップ積載船舶火災の謎に迫る!
05 災害に備える
Column Vol.07
スクラップ積載船舶火災の謎に迫る! 海上保安試験研究センター
焼け焦げたスクラップの調査
焼け焦げたスクラップの調査

近年スクラップ積載船舶の火災が増加傾向にあり、火災予防と効果的な消火活動並びに責任者の追及を行うためには、火災原因の究明と適切な消火方法の確立が必要となっています。

中国、韓国等に輸出されている、いわゆる雑品スクラップの中には金属のほか、プラスチック類、バッテリー、石油ストーブ、布等さまざまな物が含まれ、どのような原理で火災が発生するのか未だ解明されていません。

このため、海上保安試験研究センターでは、(独)国立環境研究所、消防大学校消防研究センター及び海上保安大学校等と共同でスクラップ積載船舶火災に関する研究を行っています。

この研究では、各研究者がいろいろな観点から雑品スクラップの輸出に関する問題点を分析していますが、海上保安試験研究センターでは、火災をおこしたスクラップ積載船舶での現場調査を行ったり、火災原因の可能性について消防大学校消防研究センターと共同で実験を行っています。

平成21年9月には、中国で開催された国際シンポジウムで海上保安試験研究センター科学捜査研究課の山ざきゆきみ専門官が火災現場での調査結果や鉛蓄電池の電解液と金属の反応の危険性について発表し、各国の危険物関係研究者から高い関心が寄せられました。