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特集3 海保の海賊対策〜人類共通の敵への対応〜 > コラム1. 内陸の地から海上保安の現場を支えて
特集3 海保の海賊対策〜人類共通の敵への対応〜
Column 01 内陸の地から海上保安の現場を支えて 海上保安試験研究センター
都心から約30キロメートル離れた東京都立川市、遠くに富士山、陣馬、秩父などの山々を望む立川広域防災基地の一角に青い海を思わせるマリンブルーの建物が見えてきます。
ここが、「内陸の地から海上保安の現場を支えて」をモットーに掲げる海上保安試験研究センターです。 平成21年4月現在、センターには36名(うち女性4名)の職員が勤務し、日々業務にあたっています。 このセンターのルーツは実に古く、明治元年、鎖国から開国に向け全国で灯台の建設が急ピッチで進められるなか、灯台の機械を作るための工場である「燈明台掛」として横浜の地にうぶ声をあげたのに端を発します。 昭和23年の海上保安庁発足と共に、灯台部工務課工場となり、順次組織体制が強化され、それまでの業務に加え、巡視船艇の性能向上、海上保安官が現場で活動するための装備類の開発や改良を担うようになりました。その後も、海洋の環境汚染物質、麻薬等の薬物、船同士が衝突した際の塗膜片、密入国者の海員証等の分析鑑定を行うようになり、時代の流れとともに新たな業務ニーズに対応してきました。 今では、生誕期からつちかってきた「機器・施設の改良のための試験研究業務」と全国の海上犯罪の現場から送られてくる証拠品を「科学の力によって分析鑑定する業務」が2つの大きな柱となっています。 特に、海上犯罪の捜査現場からは日夜を分かたず様々な証拠品が持ち込まれ、その分析鑑定は捜査において重要な役割を担っています。 捜査現場で活躍する海上保安官の要請に応えるには、最新鋭の設備・機器が不可欠であることは言うまでもありませんが、任務にあたるセンター職員の高い技術レベル・経験・知見もまた不可欠です。 センター職員として現場からの要請に、「より詳しく、より早く、より的確に応えたい」という熱い思いを心に秘め、一人一人が最新技術の習得と技術力のより一層の向上に日々取り組んでいます。
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