海上保安レポート 2009
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はじめに


TOPICS 海上保安の一年

特集


海上保安庁の任務・体制


■本編

治安の確保

領海等を守る

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

  1. 海洋調査
  2. 海洋情報の提供
    コラム10
    気象庁との連携「離島火山防災に係る連携強化」に関する協定を締結

交通の安全を守る

海を繋ぐ


目指せ!海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編


本編 > 海を識る > コラム10. 気象庁との連携「離島火山防災に係る連携強化」に関する協定を締結
海を識る
Column 10
気象庁との連携「離島火山防災に係る連携強化」に関する協定を締結 第十管区海上保安本部
気象庁との協定書の交換
▲気象庁との協定書の交換

第十管区海上保安本部(鹿児島県)は、鹿児島、熊本、宮崎の3県を管轄し、南九州から東シナ海に及ぶ南北約700キロメートル、東西約1,000キロメートルにおよぶ広大な海域を担当しています。当管区管轄の南九州には多くの離島があり、中でも鹿児島県には約600の離島があり、全国でも2番目に多くの離島を抱える県となっています。

離島の多い当管区では、大型巡視船が定期的に各離島を訪問し海難事故防止講習会等を開催したり、「JCGキャラバン」と称し大型巡視船が島々を巡回、各地の救難所の皆さんと合同で海難救助訓練を行ったりと、あらゆる機会を捉え多くの皆さんに海上保安業務への理解を深めていただけるよう業務に取り組んでいるところです。

これらの離島の中でも、薩摩硫黄島、口永良部島、口之島、中之島、諏訪瀬島の5島(全て鹿児島県)は有人火山島で、現在も火山活動を活発に続けています。これらの有人火山島で暮らす約550名の方々の安全の確保は、当管区として大変重要な課題です。

従来から海上保安庁では、航空機を使用して火山の監視観測を行っており、観測で得られたデータは、火山噴火予知連絡会等に提供され、防災対策に活用されてきました。この実績を踏まえ、当管区では地元気象台との連携を探ってきたところ、平成20年8月1日に、全国ではじめて海上保安庁(第十管区海上保安本部)と気象庁(福岡管区気象台)との間で、「離島火山防災に係る連携強化」に関する協定を締結するに至りました。

この協定締結により今後は、当管区海洋情報部が保有する熱画像撮影装置をヘリコプターに搭載して定期的に火山撮影を実施し、気象台に提供する他、離島火山に異常が認められた場合には、気象台からの要請により、直ちに観測に必要な職員や機材を、当管区の航空機に搭載して火山観測を行える体制が整いました。当管区が火山の熱画像写真データ収集や観測に必要な人員・機材の輸送を行うことで、これまで以上に離島火山災害の予防が図られ、離島に住む皆さんの安全・安心につながれば、と考えています。

熱画像撮影装置による火山撮影(口永良部島)
▲熱画像撮影装置による火山撮影(口永良部島)