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災害に備える
Column 09
冬季、荒れ狂う日本海 第九管区海上保安本部
冬季の「荒れ狂う日本海」については歌にも歌われ、誰もが知っている厳冬の光景です。しかし、平成20年2月23日から24日にかけ急速に発達しながら北日本を通過した低気圧による大荒れの日本海は、冬場のしけに慣れた地元漁業者をも驚かせるほどの想像を超えたものでした。 この両日、新潟県佐渡島や新潟県下越地方を中心に北東寄りの非常に強い風が吹き、ピーク時には波の高さが最大8メートルを超える大しけとなりました。津波のように陸地に打ち寄せる波は、沿岸部を飲み込むほどの勢いでした。 このため、第九管区海上保安本部(新潟県)は「暴風雪被害対策室」を設置し、新潟県や佐渡市など関係機関から情報収集を行うとともに、新潟海上保安部所属巡視船「えちご」を佐渡島沿岸に急行させ、搭載ヘリコプターにより沿岸部の調査を行いました。また、管内全部署においても被害状況調査を実施しました。 この天候により、新潟県内では13名が負傷し、95棟の建物に被害が生じたほか、第九管区海上保安本部管内で、浮きドックや木材の流出、係留中の小型漁船の転覆・沈没等多くの被害が生じました。 特に新潟県佐渡島においては、佐渡市水津地区で、建物内に波が打ち込んできたことで作業員が家財の下敷きになって負傷するなど9名が負傷したほか、防波堤が損壊するなど、多大な被害が生じました。佐渡海上保安署の職員は、いち早く島内各地に赴き、沿岸部の被害状況調査にあたりました。巡視艇による調査は困難であったため、自動車により海岸沿いの道路を移動しつつ調査を実施しました。道路には波が打ち上げ、通行すら困難な状態でしたが、波の打ち上げるタイミングを見計らいつつ移動し被害等がないか確認にあたりました。 |